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リタからの講義で、精神的に疲れた私は、フラフラと廊下を歩いていた。
すると、名前を呼ばれた気がして振り向くとそこには、安堵の表情を浮かべるエースがいた。
「よかったー！Aいてくれた！」
船の上にいるんだから、絶対どこかにはいるはずでしょうに…。一体何かあったのかな？
「どうしたの？エース」
「ちょっと手伝ってくれ！」
首を傾げる私の腕を掴んで引っ張るエースの力は、とても強くて驚く。
そのままエースに連れてこられたのは、書庫。
来るのは二度目だ。前はイゾウさんに船の中を案内された時。
相変わらず広いけど、汚い。
床に埃は薄っすらと溜まっているし、雑に積まれた本の上にも埃が溜まっている。
「汚ねえな…」
「うん。汚いね」
エースの言葉に頷く私。彼は急いで書庫を出て行く。
一体どうしたのだろうか。
やはり海賊は普段は本なんて読まないのだろうか。確か、ここに来るのは一部の隊長と航海士の人だけと聞いた。これからは私も時々来ようかな…。
しばらくして、エースは手にバケツとか箒とかの掃除道具を持って戻ってきた。
「A！手伝ってくれ！」
なるほど。誰かに掃除を頼まれたけど、一人でやるのは嫌だった、と。
頭を下げてお願いしている姿を見たら、断れない。エースから箒を受け取ると、彼に笑いかけた。
「早くやって終わらせようか」
「おう！」
ちょうどいいタイミングだと思おう。今イゾウさんに会ったら、平静を保っていられないだろうから。
箒を受け取ったのはいいけれど、確かこういうのは上から掃除していくんだっけ。というわけで、箒を壁に立てかけて、本棚を綺麗にしていく。
本を一冊ずつ乾拭きして埃を落とす。数は多いけど、どんな本が置いてあるのか分かって楽しい。
「A〜そんな丁寧にやらなくてもいいんじゃねえのか〜？」
エースの声に、私は脚立に座りながら言った。
「ダメだよ、きちんとやらないと」
「でもよ〜。そんな風にやってたら日が暮れるぞ？」
それもそうだ…。日をまたぐわけにはいかないし、ペースを上げよう。
しかし、私の手は一冊の本で止まった。
『人魚姫』
この話は昔から好きだった。なぜかは分からない。本当の結末を知った周りは、悲しいと言っていたのに、私はとても素敵な話だと思った。
王子を殺して人魚に戻るか、王子を生かして泡となり消えるか。
その究極の選択を迫られた人魚姫は、自分を殺して他人を生かした。
ラッキーアイテム
革ベルト
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
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イゾウRAVU - 10才だと五年生ですよ！ (2018年12月9日 13時) (
レス) id: 0e771d3d36 (このIDを非表示/違反報告)
アベッチ - 面白いです!頑張ってください!! (2018年3月23日 16時) (レス) id: 6605acb6b9 (このIDを非表示/違反報告)
焔彩(プロフ) - コメントありがとうございます！夢主ちゃんは色恋沙汰に関しては純粋すぎるんです。故にイゾウは苦労人だったわけです。 (2018年1月21日 22時) (レス) id: 5e6d9dd208 (このIDを非表示/違反報告)
ミンハオの嫁（）(プロフ) - 夢主ちゃん純粋すぎるぅぅ！私なんて、私なんて、小5で知ってましたよぉぉ！！純粋なんて程遠いいいいい！羨ましいわっ！。。ちなみに初コメです笑笑 (2018年1月21日 20時) (レス) id: 48f96f1def (このIDを非表示/違反報告)
juantya_(プロフ) - イゾウがすきなので、こういうストーリー好きです！更新頑張って下さい！ (2018年1月14日 12時) (レス) id: 2079238fcf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：焔彩 | 作成日時：2018年1月10日 16時
