子供 4 ページ39
結局あれから、子供になったイゾウさんの面倒は私が全部見る事になって、今はもう夜。
「ところで、イゾウさんのその姿は一体何才頃のものなの?」
私の部屋のベッドに座って、二人で話す。
イゾウさんはしばらく自分の身体を見ていたが、徐に答えた。
「10才くらいだな」
10才っていうと、小学校何年生だろうか。4年生くらい?
どうりで可愛いわけだ。
「どうせならAのガキの頃の姿を見てみたかったな」
その言葉に、思わず肩を震わせてしまった。
私は頭を横にブンブンと振って、今思い出した事を再び忘れようとする。
「面白くないよ。イゾウさんみたいに可愛くもないし、どちらかというと、そこら辺の子供より可愛げは全くなかったような気がするし」
そう答えると、イゾウさんはごく当たり前の流れで私のベッドの中に潜り込んだ。
「ちょっと!イゾウさん!…ここで寝るの?」
「何か問題あるか?」
「ある!」
いくら子供の姿でも、一応異性だし…。何だか恥ずかしい。
「襲おうにも今はガキの姿だし、そもそもそんなバカな事はしねえよ」
確かにイゾウさんは紳士的だし優しいけど…。
それにしても、エースがこの船に乗ってから、イゾウさんが妙に積極的になったような気がするんだけど…気のせいかな?
しばらく考えた結果、子供だから、と思って一緒に寝る事にした。
「あっ、そうだイゾウさん」
ベッドの上に寝転んだ私は、布団の中でイゾウさんと向き合う。
「さっき言ってた、襲うってどういう意味?」
やっぱり海賊だから人を襲うのだろうか。それとも、何かもっと他の意味があるとか?
イゾウさんは目を見開いて固まっていたかと思いきや、次第に笑い出した。
「な、何で笑うの?」
「お前さん、知識不足だねえ…。そんなんじゃ、おれが何か言っても全く意味は通じなさそうだな」
やっぱりイゾウさんが何を言っているのか分からない。
「ナースの奴らにでも聞きに行ってみな」
ナースの人たちかぁ…。私は戦わないし、この船に来てからは怪我とか全然しないから、お世話になる事は全然ない。
この船に乗ったばかりの頃は、分からない事を教えてもらったり、必要なものを借りたりしてたけど…最近はそういうのもない。
私はイゾウさんの言葉に頷いた。そして、彼を抱き締めてゆっくりと目を閉じた。
翌朝目を覚ますと、大人に戻ったイゾウさんに抱き締められていて、声にならない悲鳴と共に目覚めたのは、また別の話。
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イゾウRAVU - 10才だと五年生ですよ! (2018年12月9日 13時) (レス) id: 0e771d3d36 (このIDを非表示/違反報告)
アベッチ - 面白いです!頑張ってください!! (2018年3月23日 16時) (レス) id: 6605acb6b9 (このIDを非表示/違反報告)
焔彩(プロフ) - コメントありがとうございます!夢主ちゃんは色恋沙汰に関しては純粋すぎるんです。故にイゾウは苦労人だったわけです。 (2018年1月21日 22時) (レス) id: 5e6d9dd208 (このIDを非表示/違反報告)
ミンハオの嫁()(プロフ) - 夢主ちゃん純粋すぎるぅぅ!私なんて、私なんて、小5で知ってましたよぉぉ!!純粋なんて程遠いいいいい!羨ましいわっ!。。ちなみに初コメです笑笑 (2018年1月21日 20時) (レス) id: 48f96f1def (このIDを非表示/違反報告)
juantya_(プロフ) - イゾウがすきなので、こういうストーリー好きです!更新頑張って下さい! (2018年1月14日 12時) (レス) id: 2079238fcf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:焔彩 | 作成日時:2018年1月10日 16時