火拳のエース ページ22
空に厚く雲が覆っている。今にも雨が降り出しそうだけれど、マルコの話によると、降る心配はないらしい。
「火拳のエース…?」
甲板に座ってイゾウさんとマルコ、サッチ、ハルタの四人と話をしていた時に唐突に出てきた名前に驚く。
「あぁ、Aは知らないかな?今世間を騒がせてるルーキーだよ。なんでも七武海の勧誘を蹴ったとか」
ハルタの言葉に、心の中で否定する。
知っているよ。だって、何度も読んだから。イゾウさんとオヤジさんの次に好きだったから。
そっか…ならもうすぐこの船に乗るのか…。会えるんだ。
「おっ?Aちゃん?顔が嬉しそうだけど?」
ニヤニヤしているサッチの言葉に、慌てて自分の顔をペタペタ触ってみる。
嬉しそうな顔なんてしていたのだろうか。
すると、イゾウさんが少しきつめな口調で言ってきた。
「あぁいう男がタイプなのか?」
「えぇぇ??!そんな事ないよ!…多分」
最後は小声で言ったのに、イゾウさんには聞こえてしまったようで、頬を両手で押さえられてしまう。
「何だよ、多分って…!」
「落ち着けよい、イゾウ」
イゾウさんは私の頬から手を離すと、マルコを睨みつけた。
「でも手配書の感じだと〜、なかなか男前だよね」
ハルタの言葉に、イゾウさんの機嫌が余計に悪くなる。
「もう、ハルタ!余計な事言わなくていいの!」
エースがカッコいい事くらい周知の事実だ。でなければ、全国にあれほど多くのファンはできなかっただろう。
すると、オヤジさんがこちらに歩いてきた。
「オヤジ!!」
声を上げて立ち上がったのは長男のマルコ。私たちは声こそ上げないけれど、全員立ち上がる。
「どうかしたのかよい?」
マルコの問いに、オヤジさんはいつものように笑って答えた。
「噂のルーキーがおれの首を狙って、今ジンベエと戦っているらしい。おめえらも戦闘準備しておけ」
オヤジさんの言葉への反応は様々。マルコさんは驚きつつ呆れている。イゾウさんとハルタはため息を吐いているし、サッチは楽しそうだ。
確か、目を覚ましたエースに一番最初に声をかけたのがサッチだった。という事は、新しい家族候補だと思って楽しみなのだろうか。
「A、お前さんは自分の部屋にいてくれ。火拳の件が終わったらすぐ行く」
イゾウさんの温かい手が頭に乗せられて、優しい声が鼓膜を震わせると、私は自然と頷いていた。
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イゾウRAVU - 10才だと五年生ですよ! (2018年12月9日 13時) (レス) id: 0e771d3d36 (このIDを非表示/違反報告)
アベッチ - 面白いです!頑張ってください!! (2018年3月23日 16時) (レス) id: 6605acb6b9 (このIDを非表示/違反報告)
焔彩(プロフ) - コメントありがとうございます!夢主ちゃんは色恋沙汰に関しては純粋すぎるんです。故にイゾウは苦労人だったわけです。 (2018年1月21日 22時) (レス) id: 5e6d9dd208 (このIDを非表示/違反報告)
ミンハオの嫁()(プロフ) - 夢主ちゃん純粋すぎるぅぅ!私なんて、私なんて、小5で知ってましたよぉぉ!!純粋なんて程遠いいいいい!羨ましいわっ!。。ちなみに初コメです笑笑 (2018年1月21日 20時) (レス) id: 48f96f1def (このIDを非表示/違反報告)
juantya_(プロフ) - イゾウがすきなので、こういうストーリー好きです!更新頑張って下さい! (2018年1月14日 12時) (レス) id: 2079238fcf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:焔彩 | 作成日時:2018年1月10日 16時