目が覚めると ページ3
誰かの話し声が聞こえた。
意識を浮上させると、消毒の匂いが鼻をツンと刺激した。
どうして人の声がするんだろう…。
ゆっくり目を開けると、そこには、紙の上で何度も見た人物が立っていた。
特徴的なパイナップルだかバナナだかよく分からない髪型。胡乱とした目。
白ひげ海賊団、1番隊隊長。不死鳥マルコ。
「あぁ…起きたかい？」
何で漫画の中のキャラクターが目の前に？
マルコさんは私の額に手を当てる。
初めて感じる、男の人の骨ばった手の感触に顔が赤くなる。
「熱は…なさそうだねい」
熱、出そうです。
憧れた不死鳥マルコが目の前にいて、私に触れている…！
「目、覚めたのか？」
新しく聞こえた声に、首を少し動かして声の主を探る。
そこには、着物を着流した、男とは思えない程美しい男の人が立っていた。
白ひげ海賊団、16番隊隊長。イゾウ。
彼の顔を見た途端、体温が急に上がるのを感じた。
何でかはよく分からないけれど、本物が目の前にいる。
「お前さん、漂流してたんだ。丸太に掴まってたって話だが、どこから来たんだ？」
イゾウさんがベッドの脇にあるイスに腰掛ける。
「えっと…」
これは、生まれ変わったとかそういうのじゃない。
世に言うトリップという代物だ。
「どこから来たのかは…よく分からないんです」
そう言えば、二人が息を飲んだ。
「じゃあ名前は？」
「A…です」
名前を答えると、イゾウさんとマルコさんが顔を見合わせた。
「どうする？マルコ」
「とりあえず…オヤジに報告するしかねえだろい」
すると、部屋の扉が勢いよく開いて誰かが入ってきた。
私は驚いて、布団を頭までかぶった。
「おいてめえ、サッチ。Aが驚いてんだろ」
サッチ…？
布団から顔を少し出して、入ってきた人物を見る。
フランスパンみたいなリーゼントにコック服を着た、白ひげ海賊団の4番隊隊長が、確かにそこにいた。
「悪いって…」
そう謝ったサッチ。
私の目からは涙が溢れた。
「A？！どうした？！」
「サッチ、てめえが驚かすからだろい！」
イゾウさんとマルコさんに怒られ、サッチさんが肩を落とす。
「ち、違うんです！なぜか涙が止まらなくて…」
生きてる…サッチが…生きてる。
その事実だけで涙が溢れた。
「えっと、Aちゃん、だっけ？」
「はい」
「おれサッチってんだ。コックをしてるんだが、何か食べられそうか？」
その言葉に頷くと、サッチさんは笑って部屋を出て行った。
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イゾウRAVU - 10才だと五年生ですよ！ (2018年12月9日 13時) (
レス) id: 0e771d3d36 (このIDを非表示/違反報告)
アベッチ - 面白いです!頑張ってください!! (2018年3月23日 16時) (レス) id: 6605acb6b9 (このIDを非表示/違反報告)
焔彩(プロフ) - コメントありがとうございます！夢主ちゃんは色恋沙汰に関しては純粋すぎるんです。故にイゾウは苦労人だったわけです。 (2018年1月21日 22時) (レス) id: 5e6d9dd208 (このIDを非表示/違反報告)
ミンハオの嫁（）(プロフ) - 夢主ちゃん純粋すぎるぅぅ！私なんて、私なんて、小5で知ってましたよぉぉ！！純粋なんて程遠いいいいい！羨ましいわっ！。。ちなみに初コメです笑笑 (2018年1月21日 20時) (レス) id: 48f96f1def (このIDを非表示/違反報告)
juantya_(プロフ) - イゾウがすきなので、こういうストーリー好きです！更新頑張って下さい！ (2018年1月14日 12時) (レス) id: 2079238fcf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：焔彩 | 作成日時：2018年1月10日 16時
