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イ「話だと?!本当か?」
イスカ少尉が私の方を向いて尋ねてきたから、私は涙を拭うフリをする。
「そ、その人、私の腕を強く掴んできて…絶対そんな感じじゃありませんでした!」
ゴメン、エース…。
エ「はぁ?!おい待てよ!A!」
イ「知り合いか?」
エ「おれの姉ちゃんだ!」
「そんな人知りません!人違いです!」
私はCP9。エースにも、正体がバレるわけにはいかないんだ…!
イ「さっきから嘘ばかり吐きおって!見損なったぞ!」
エ「嘘じゃねえんだって!」
とりあえず、どうやってこの場から逃げよう…。
「あの、イスカさん。私、帰ってもいいですか?」
イ「あぁ、いいぞ。すまなかったな」
素直に進言すれば許可をもらえたから、私は帰る。
夜、家のベッドに寝転がって目を閉じていたら、扉が叩かれる音が響いた。
誰だ?
面倒だけれど、開けなくてはいけない。ルッチかとも考えたけれど、彼は合鍵を持っている。ならばカクたちか…?
開けると、そこには息を切らしたエースが立っていた。
エ「入るぞ」
「え?!あっ!ちょっと!」
放心状態だった私の横を通って、エースは勝手に部屋に入り込む。
慌てて鍵をかけて振り返ると、エースは自分の家のようにソファに座っていた。
私はため息を吐くと、冷蔵庫からお酒の瓶を出し、グラスを二つテーブルに置いた。
「よくこの家が分かったね」
エ「おれだって見聞色の覇気くらい使えるようになった」
グラスにお酒を注ぎ、拍手を送る。
「さすが私の弟」
エ「お前のせいでさっきは大変だったんだぞ!」
「あまり大声出さないで」
エ「窓閉めればいいだろ」
私はベッドに腰掛けると、首を横に振る。
「閉めれない事情が私にはあるのよ」
今日はガレーラのパーティ。酒に酔うと口は軽くなる。という事は、情報を集めるチャンス。
エ「何で知らないフリしたんだ?」
怖い顔でエースは私を見てくる。
「大人の事情」
エ「同い年だ!」
「仕事の都合」
エ「仕事?海軍か?」
「あのね、私が海軍ならイスカ少尉が知らないはずないでしょ?」
すると、エースはなるほどと頷く。
この子、相変わらずバカなのね。
エ「じゃあ仕事って何だ?」
「人には言えないような仕事」
すると、この子は何を想像したのか顔を赤くさせた。
「バカな想像しないでよ…」
エ「だってお前、人に言えないくらい恥ずかしい仕事なんだろ?!」
違うのに…。
項垂れたその時、部屋に置いていた電伝虫が鳴った。
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ジン - とてもいいか終わり方です!しかもとても面白かったです!お疲れ様でした! (2017年8月15日 22時) (レス) id: f63945df23 (このIDを非表示/違反報告)
トロ丸くん - 完結おめでとうございます!!!すごく面白かったです! (2017年8月4日 18時) (レス) id: 03aa5adfc5 (このIDを非表示/違反報告)
カグサ - 一話から全部読まさせていただきました!! スゴく面白かったです!! (2017年7月31日 21時) (レス) id: b3a70d09a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:焔彩 | 作成日時:2017年7月25日 14時