ママにあいたい。【文豪ストレイドッグス】【ママにあいたい。】

＊十九 ページ19

＊ ＊ ＊ ＊





めだまさんの部屋。



いない。




お姉ちゃんの部屋。



いない。




外の一番奥の方。






＿＿いた。




「このこんもりしたものは……」



僕は其れに近づく。



怪しい。



僕は迷いなく其れを蹴った(・・・)。



「おごふっっ！！？」



直後、苦しそうな声が其れから聞こえ、壁と同じ色の布を使って隠れていた(・・・・・・・・・・・・・・・・)男の子が姿を露わにした。



先程とは打って変わって、男の子は弱々しくなった。



「嘘だろ……普通蹴るかァ？」



「否、なんとなく反応を見たかったから……」



「んだと調子に乗りやがって＿＿したりガオすんな！」



「どちらかというと調子に乗ってるのはキミだと思うけど……」




急に男の子は先刻の出来事がまるで無かったかのように、




「あっは！！だんだん面白くなってきただろ！顔が笑ってるぜ！」



と輝かしいスマイルで云った。



「う〜ん……そう云われるとそうかもしれない。



＿＿い、いやそんなことより！キミの正体！！」



危ない危ない。彼の子のペースに呑まれるところだった。



すると男の子はニヤリと笑みを浮かべて、



「知りたいか？まぁ知りたいよなァ。





ま だ お し え な ー い 」



と煽り立てる口調で僕に云った。




少し苛立ちを覚えてしまった僕をどうか責めないでほしい。

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