*二十 ページ20
「あっは!今度はめっちゃ怒ったカオしてら!」
怒ってはいけない、怒ってはいけない、と自分に言い聞かせた。
「次もお前が勝ったら教えてやるぜ?」
「えー……また探すの……?」
そろそろ探すのも飽きてきたのだが。
「いやぁ?次は俺が探す番だ!お前は隠れる側な」
「はぁ……しょうがない」
かくれんぼ自体は終わりにしてくれないのか……。
というか、本当に教えてくれるのだろうか?
そこだけが不安で不安で仕方ない。
「あっは!早く隠れねェと!いーち!にーーぃ!さーーーーーん!」
僕の心情を知らずに、男の子は僕を急かす。
僕は焦りながらも男の子から隠れる為に、駆け足でその場を後にした。
* * * *
・
「ん……?」
タネさんがいっぱい居る場所に、お兄ちゃんでもあの男の子でもない誰かがいた。
その人は此方に気づかずに真っ直ぐ歩いてゆく。
「……」
ボサボサの茶髪で砂色の外套を着た背が高めな人。
少し気になるが、今はかくれんぼをしなきゃ。
* * * *
・
「誰にも見つからないような場所?」
「うん」
お兄ちゃんは首を傾げた。
まあ、いきなりそんな事を聞かれても困惑するだろう。
「カンシから逃げる時に考えてるのか?こんなとこに隠れる場所なんぞ無いだろ。
目玉野郎の後ろにでも隠れてみればどうだ?まあ、すぐにバレるだろうがな」
お兄ちゃんは苦笑いして、そう云った。
「ありがとう、お兄ちゃん」
とりあえず、めだまさんのところへ行ってみることにした。
* * * *
(あれ、まただ)
お兄ちゃんの部屋を出てすぐに、またあの人を見つけた。
後をついて行ってみたら、どうやらその人もめだまさんの所へ行くようだった。
・
めだまさんの部屋に着くと、その人は此方を振り返って
「わぁ吃驚。見られちゃった」
と云い、僕に向かって小さく両手を振った。
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苺大福 - 更新待ってます! 頑張って下さい (2020年9月25日 20時) (レス) id: 419463f3a0 (このIDを非表示/違反報告)
孤独な人形師 - ツライストーリーだけど読む手が止まらない!!これは最高の小説ですね!!更新待ってます! (2019年8月3日 2時) (レス) id: b9c431de9a (このIDを非表示/違反報告)
涼風梓(プロフ) - とても面白いですね!ママにあいたい…実況を一回見た程度ですけど面白いですよね。文ストも好きなので嬉しいです!これからも体を壊さない程度に自分のペースでゆっくり更新なさってください!応援してます! (2019年4月1日 9時) (レス) id: b666f93d0b (このIDを非表示/違反報告)
来夢 - ママにあいたいは本当に名作ですよね…文ストもママにあいたいもどちらも大好きなので、凄く楽しみです!! (2019年2月16日 14時) (レス) id: 7c45f15a69 (このIDを非表示/違反報告)
せりゅ*人間失格(プロフ) - 雪白。さん» かなり悲しいENDになっちゃいますね笑 更新頑張りますので、どうか暖かい目で見守ってあげてください(( (2019年2月11日 8時) (レス) id: f78b10b250 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せりゅ*人間失格 | 作成日時:2019年1月26日 22時