《完結》彼のスーツを脱がす時９【NINO】 (ページ3)

今日:7 hit、昨日:16 hit、合計:347,695 hit

243.プライベートページ3

「二宮さん？」

朝食を食べ食後の紅茶を口にする

さっきの事がどうにも頭から離れず

急かす話でもないけど聞いた方がいいと仕事中の二宮さんに声をかけた

二宮「ん？」

「………えっと………あのですね？」

二宮「どうかした？」

かけた眼鏡を外した彼は私の話に集中してくれるとその行動に伝わる

「その、お話……というか、聞きたい事もあって」

でも、改まってしまうとどう切り出していいのか

二宮「うん」

プロポーズ直後に

『お母さんに会ってください』…それも何か急かしてるような

『ご両親にはいつ会いますか？』…それも必死のような

そもそも彼の過去が知りたいわけで

でも、それもどう言ったら彼が嫌な思いをしないで聞けるだろうか

色々考えれば考えるほど言い出しにくくなる

そんな時に助け船のようにテーブルの上にあった彼のスマホがバイブにゆれる

二宮「…っと、ごめんね？」

「いえ、どうぞ出てください」

電話に出る彼にホッとしたのも束の間

二宮「小山さんがそろそろ到着するみたい」

「そうなんですね」

二宮「で？」

「え？」

二宮「話、あるんでしょ？」

「たいした話じゃないんでまた今度で」

二宮「飛行機でゆっくり聞くよ」

飛行機なんて近くに人がいて話す話ではないし

日本に戻ってからもっと結婚の話が具体的になってからにしよう

「えっ、いえ、本当に大丈夫です」

二宮「それじゃ、出発しましょうか」

「はい」

繋いだ手にホテルを出ると外には小山さんが既に車の前にいて

私の部屋によってもらい空港へ

「う…………そ………」

目の前に見えたのは

所謂プライベートジェット機というもので

二宮「言ったじゃない、小山さんは"有能"だって」(笑)

飛行機のエンジン音に消されないように大きな声に笑いながら言う二宮さん

昨夜のバトラーの共通点の話を思い出した

『例え夜中でもプライベートジェットすら
すぐに用意してくれる…有能なところ？』

それに気づいた私に彼は意地悪く笑う

小山「定刻どおりだそうです」

プライベートジェット機から降りてきた小山さんはどうやら確認のためだけに入ったようで

二宮「ありがとう」

一緒に帰らないんだって

「ありがとうございます」

小山「お気をつけて」

小山さんに見送られ飛行機に乗り

無事に離陸する飛行機

二宮「さて、Aちゃん」

外を眺める私に二宮さんが問いかけた

「はい？」

二宮「お話、聞きましょうか？」