51.ネクタイの誘惑 ページ21
「ネクタイ、結び直してもいいですか？」
言った後にこの状況で何言ってるんだろって後悔した時には遅くて
二宮「どうぞ？」
無防備な姿に笑う彼
素敵に着こなして欲しいからネクタイの結び目や長さのバランスが気になって言ったものの
そう
終始彼の視線に支配される事に気づかなかった
二宮「Aちゃん？」
「それじゃ…失礼します」
二宮「お願いいたします？」(笑)
結び目に指をかけ３�僂曚媛爾吠�向に緩め
ゆっくりと大剣を抜く
二宮「随分慎重になんだね」
「ネクタイの生地は意外に繊細で傷つきやすいんです」
二宮「そうなの？付けることもほとんどないけど取るときなんて引き抜いてたわ」(笑)
彼の首のYシャツの襟をたて
バランスよくネクタイをかける
彼の首
彼の髪に時折触れる指先がふるえる
それに気づかれないかとチラっと彼を見上げると
確実に私を見ている二宮さん
何気なくしてるつもりでも
自分の行動…瞬きや呼吸すらも意識しているのが伝わるんじゃないかって
「だからほどく時も結ぶ時も優しく…ネクタイにかかる圧力が軽くなるからホツレたり、傷みにくくなります」
小剣を半分に折り大剣と交差する箇所を内側に半分に折る
大剣を半分に折って結び目の左上の箇所を外側に半分に折り結び目に通す
結び目を抑えて大剣を下に引っ張っていき２つの折り目が潰れ無いように綺麗に結び目を引き上げる
二宮「そうなんだ？」
「二宮さん……えっと……できました」
完成したその姿にクラクラする
疚しい私の心とは裏腹に彼は天使のように微笑んで
二宮「俺には出来そうにもないからこれからはネクタイをつけるときはAちゃんにお願いするよ」
さらっとそんな事を言う
"これからは"…って
二人のこれからって思ってもいいのかな
そんなちょっとした言葉に胸が甘く疼いた
二宮さんがソファーにあったコートを着るとあることに気づいた…
急に鳴った部屋の呼び鈴
二宮「誰だ…ちょっと待ってて」
「はい」
ドアを開ける音が微かにすると二宮さんと…
男性の声？
少しの会話にドアが閉められた音がして間もなく戻る二宮さんは
私が気になった事を直ぐに解決してくれる物を手にしてた
二宮「Aちゃんのコートとバッグ…であってるよね？」
「えっ、あっはい…でも何で…」
二宮「うちの秘書は出来る人でね…」
そう言いながら私の後ろにまわるとコートを羽織らせてくれた彼は
「櫻井さ…っ！？」
私を唐突に後ろから抱き締めた
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作者名：2-38
| 作成日時：2018年1月16日 10時
