彼のスーツを脱がす時 2 【NINO】 (ページ18)

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48.愛の夢←2/6 ページ18

二宮「…Aちゃん…貴女が好きだ」

壊れる

喜びに壊れるというのが正しい

「嘘っ」

思わず出た言葉に

彼は抱き締めた腕をゆるめると私の顔をのぞきこみ

柔らかく笑う

二宮「それはイエス？」(笑)

距離が

彼の優しい蜜のように甘い声が

「え？」

そして

二宮「俺の…彼女になってくれますか？」

夢のようなその言葉が確信に色を染めていく

「は…い」

そう言うのが精一杯の私に

彼は一瞬だけど驚いたように大きく目を見開くと

次の瞬間には呆れたように笑う

コロコロかわる彼の表情に一喜一憂して振り回される

そして彼はいつも私よりも一枚も二枚も上手で

振り回される私を見て意地悪に口角を持ち上げて笑うと

「二宮さっ！？」

再びぎゅっと抱き締められた

耳元に寄せられた唇がそっと囁く

二宮「嘘はなしだよ」

胸が苦しくて

その逃げ場のないもどかしい気持ちに彼の背中に腕を回し

私も彼をぎゅっと抱き締めた

「大好きです、二宮さん」

思わず出た言葉に彼は笑うから

余計に恥ずかしくてその手に力が入る

私の身体を抱き締めた手を片方だけほどくと

息を浅く吐くように笑って

私の後頭部を優しく撫でた

二宮「よろしくないなぁ～」(笑)

それはまるで小さな子供を宥めるような

そんな手だった

「え？」

二宮「ここはどこ？」

「ホテル…です」

二宮「ここにいるのは？」

「…あ…の」

彼が何を言いたいのかわかった瞬間

色んな事が頭を巡り

二宮「Aちゃんと俺の二人だけ」

カーッと顔に熱が集中する

隠したいのにのぞきこまれた顔にもうどうしていいかわからない

「それは、その、えっと」

子供じゃないし

経験がないわけでもない

二宮「そんな可愛い格好してるし、俺も男だし？」

今更もったいつけるような年齢でもない

「へっ？」

だけど

二宮「好き……………好き？」

"好き"って声に出して

好き"だよ"…"アナタは"好き？

それ以外は唇だけが動いて私にそれを教えた

「……………す…き」

二宮「それなら答えは１つじゃない？」

彼がまた悪戯に私を惑わせる

「でもっ」

今？

お互いに好きだと1秒前にも確認した

ここで？

これ以上ないというくらいのスイートルーム

…申し分ない

二宮「嘘」(笑)

「え？」

急に離れた身体

二宮「ナニモシナイ」

自分勝手なもので

二宮「って約束したからね」(笑)

そんな風に笑って

そんな風に言われると

寂しい…