僕らの存在証明論 (ページ10)

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第9話ページ10

最後の授業が終わり、放課後を告げるチャイムが鳴る。

先程の授業の記憶が途中からなくなっている私は、自分のノートに書かれた解読不能の文字を誰にも見られないよういそいそとノートをしまう。

「おい寝坊助、帰るぞ。」

そう言いながら一護は私の頭を軽く叩く。

「叩くな叩くな。寝る子は育つって言うのに叩いたら凹むじゃん。」

「お前そう言って伸びた事ねぇだろ。」

「成長期に取っておいてるんですぅ」

「諦めろもうこねぇよ」

「いいから帰るぞ」と言い一護は私を立ち上がらせる。

このせっかちと心の中で愚痴りながら一護の隣を歩き出す。

「あっ一護、今日卵安いから帰りスーパーね。」

「ん、了解」

そんな会話をしていると後ろから「また夫婦みたいな会話してるね」と声がかけられる。

「夫婦なんてありえないでしょ水色。」

「でも傍から見れば同棲でもしてるみたいな会話だよ？」

「実際に他のクラスの人とか君ら付き合ってるって思ってる人多いし」と水色はしれっと言う。

「成程、私がこんなに可愛くてもモテないのは一護のせいか……｡」

「なんでそうなんだよ。」

一護は呆れたふうに言うが、一理あるかもねと水色は頷く。

「ちょっと一護、私達はただの幼なじみですって屋上から叫んできて。」

「なんで俺がだよ！てめぇでやれ!!」

「A、やめてあげな。色々と困るの一護だから。」

そんな事を言う水色になんでと問うが笑顔で流される。

あっこれ教える気無いやつだ。

まぁ別にいいかと思い前を向くと、次は後ろから騒がしい気配が近づいてきた。

「おいおい!!俺を置いて帰るとかひでぇじゃねぇか!!イジメか!?」

そう言って抱きつこうとするそいつを一護は容赦なく殴りつける。

「啓吾ぉ学習しなよ、どう足掻いても一護には負けるぞぉ？」

「うるせぇ!!お前らが置いていくのが悪いんだ!!」

そんな騒がしい啓吾も引き入れ私達は校門まで歩き出す。

「なぁなぁ今度遊びに行こうぜぇ。カラオケとかさぁ。」

「時間も金ももったいない。」

もったいないってなんだよ!!と啓吾は騒ぐが無視して歩く。

こちとら一人暮らし、節約第一なのだ。

校門まで着くと私と一護はスーパーに行くので二人と別れて歩き出す。

いつものようにスーパーで食材を買い、一護に荷物持ちをしてもらう。

だが途中でルキアちゃんがどこからともなく現れ、一護を連れてどこかに行き、私だけがそこに残されてしまった。