第7話 ページ8
一護とルキアはAと別れ、人気の少ない校舎裏に来ていた。
「それで?お前が反応したって事はAになんかあんのか」
一護はいつも以上に真剣な眼差しでルキアを見つめる。
一護はつい最近この目の前にいる朽木ルキアという死神を名乗る少女と出会い、その力を讓渡され“死神代行”として“虚”という化け物を倒していた。
それからというもの一護の周りでは虚による多くの被害が出ていた。
喋るインコを守るため茶渡泰虎が怪我をし、死んだ兄の虚化により井上と幼なじみであるたつきが重症を負った。
それに次いで母親の墓参りでは、母を殺した虚が現れ家族を危険に晒した。
まだAには被害は出ていない。
だがこうしてルキアが反応したということは今日初めて聞かされた夢の話が何か虚に関係しているのではないか。
危険がAに迫っているのなら早めに取り除かなければ。
そう気構えている一護にルキアから返ってきた言葉は「わからん」の一言だった。
「そもそも虚というのは夢などで人に干渉するものでは無い。」
「じゃぁなんであんなに反応したんだよ。」
「いや、ただ彼奴の謎がわかるかもしれんと思ったからだ。」
「謎?」
一護がそう聞き返すと「お前は霊圧探査能力が低いからな彼奴の異常さが分からんのだな。」と返される。
その返答に一護は背筋に悪寒が走る。
先日ルキアに虚は霊力が高いものを好んで襲うと説明された。
もし、Aが霊が見えないだけで自分と同じ様に霊力が高かったとしたら。
自分が知らないところでAが傷つき、帰らぬ人になるかもしれない。
その可能性にひどく戦慄した。
一護の本心を見抜いたように「落ち着け馬鹿者!!」とルキアは一護のがら空きの背中を勢いよく蹴り飛ばす。
「いってぇな!!何すんだてめぇ!!」
「人の話しを最後まで聞けと言っているのだ馬鹿者!!」
そう言って一護の頭を再度踏み付け一護を黙らせる。
「彼奴は霊力が高い訳では無い、むしろその逆だ。」
「逆?」
「霊力が一切感じられぬのだ。」
その言葉に一護は「それの何が悪いんだ」と首を捻る。
「他にもいんだろそんな奴。」
「たわけ、確かに霊力が低い奴もいるし、それが現世では大半だ。けれど人は魂魄というものがあり、必ず少なからずは霊力を持っているものだ。」
それが彼奴からは一切感じられぬのだ。
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マニ。(プロフ) - ✉️。こんにちは!いつも作品見ています。嫌じゃなければ一緒にボードで会話しませんか?これからも更新応援してます💖 (1月22日 19時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななな | 作成日時:2023年11月28日 20時