第5話 ページ6
「いや、別に一護が思ってる様な重大な事じゃないよ。」
「いいから話せ。事の大小は俺が決める。」
なんだよその暴論と口の中で毒づく。
「本当に些細なことなんだけどさぁ、小さい頃からよく同じ夢を見るんだ。」
「夢?」
そう本当に些細なこと過ぎて今まで気にもとめてなかった。
長年一緒にいて、色んなことを共有してきた一護すら言うのを忘れていたほど。
最近になってそれが少し存在を主張し始めてきたのだ。
「その話わたくしにも詳しく聞かせてくれないかしら。」
「うおっ!」
一護の背中を押すように、背後から急に現れたのはつい最近うちの高校に転校してきた朽木ルキアちゃんだ。
「ルキア…てめぇ何すんだ…」
「あら、いらっしゃったのですね黒崎くん。」
「おはよう朽木ちゃん。」
「おはようございます緋村さん。」
「私、そういうお話大好きなの。聞かせてくださる?」という朽木ちゃんにうーんと私は唸る。
「本当にそんな面白い話じゃないよ?」
「大丈夫ですわよ。」
そういう朽木ちゃんと後ろで大きく頷く一護を見て、ならと話し始める。
「さっきも言った通り小さい頃から同じ夢を何度も見るんだ。」
「それはどんな夢ですの?」
「それがよく覚えてないんだよね」
はぁ?と拍子抜けしたような声を出す二人にだから言ったじゃんと怒る。
「小さい頃はさぁ他の夢なら鮮明に内容を思い出せてたんだよね。怖い夢なんか特に。」
そういう私に一護は「あぁわかるかもな」と共感する。
「でもその夢だけさぁなーんにも覚えてなくて、ただなんか夢見てたなあっていう感覚しか無かったんだよね。」
「それって夢見てねぇんじゃねぇの?」
「いやいや、本当になんか長い夢見たなぁって実感あるんだよ?長い映画見た時の怠惰感みたいな。」
「それで最近何か変わったのですか?」と朽木ちゃんが先を急かす。
「大きくなるにつれて夢なんて見なくなったんだけど、その夢だけはずっと続いてて、最近その頻度がほんの少しだけ多くなったんだ。」
「その怠惰感で朝起きずらくなったってことか?」
「そういう事。」
うーんと一護と2人で首を捻る。別にこれといった問題は無いのだ。夢となれば対策もできない。
「本当に何も覚えていないのですか?」
そう言われ私は記憶の中を掘り返しある言葉を思い出す。
「確か……思い出してはいけないよって誰かに言われてたような気がする……。」
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マニ。(プロフ) - ✉️。こんにちは!いつも作品見ています。嫌じゃなければ一緒にボードで会話しませんか?これからも更新応援してます💖 (1月22日 19時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななな | 作成日時:2023年11月28日 20時