第36話 ページ37
それから私達は今まで秘密にしていた事を全て打ち明けあった。
朽木ちゃんは死神で、その力を貰い一護が死神代行をしていた事、
それが死神の世界にバレてしまい朽木ちゃんが連れ戻されてしまった事、
助けに行かねば、朽木ちゃんが殺されてしまう事。
一護は悔しそうに顔を顰めて話していた。
それを私はただ静かに聞いていた。
一護が話し終わった後、私も一護に全てを話した。
一護がずっと心配だった事、
ある日突然鮮明になった夢の内容、
虚や霊が見えるようになった事、
私が何かを忘れている事、
うまく説明出来ないところは浦原さんが代わりに話してくれた。
私がそうだったように、一護も私が話している間とても静かに聞いてくれた。
全てを話し終わった後、浦原さんはやる事があるらしく、明日の集合時間だけ告げて出て行った。
部屋の中に静寂が戻ってくる。
私達はいつも一緒に居たけれど、こんなふうに2人っきりになるのはどこか久しぶりのような気がする。
心地の良い沈黙の間、それを破るように一護は口を開く。
「なぁA、本当に行くのか?」
そう弱々しい声で言う一護に小さく苦笑する。
「行くよ、一護より付き合いがあった訳では無いけど朽木ちゃんは友達だ。このまま黙って見過ごす訳にはいかない。」
そう言うと一護は「そうだよな...お前はそういう奴だ。」と小さく笑った。
怖くないと言えば嘘になる。
人ならざるもの達が住まう未知の世界。
何が起こるかも、どんな化け物達が居るのかも分からない。
夜一さんは度々尸魂界について教えてくれる事が多いけれど、それでも想像のつかない事ばかりだ。
でもやっぱり救える手に手を伸ばさずに、護れる背中に目を背ける方が私には怖い。
一護が私が自分の知らないところで傷つくのが怖いと言ったように、私も一護や朽木ちゃんが自分の知らない所で帰らぬ人になるのが怖い。
だからその恐怖を少しでも減らすために、救える手があるのならそれを掴めるように、私は行くのだ。
「一護、約束しよ。」
私は決意と覚悟を決めて一護と向かう。
「私はどんな絶望的状況になったとしても、皆で生きる未来を諦めない。必ず死んでも一護の所に戻ってくる。」
だから、と言って小指を一護の前に出す。
「一護も死んでも戻ってきて、皆で生きる未来を諦めないで。」
そう言うと一護は少し驚いたような顔をしてから、いつもの強い顔に戻り、「あぁ、約束だ。」と言って小指を絡めた。
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マニ。(プロフ) - ✉️。こんにちは!いつも作品見ています。嫌じゃなければ一緒にボードで会話しませんか?これからも更新応援してます💖 (1月22日 19時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななな | 作成日時:2023年11月28日 20時