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第3話 ページ4

一護と二人、並んで登校路を歩く。

桜はもう散り終え葉桜となり、春の匂いはもう止む。

今年も夏が来るのかとただ呆然と思った。

「おい、ぼーっとしながら歩くんじゃねぇよ。」

葉桜を眺め呆けていた私は目の前の電信柱に気づかずぶつかる寸前で一護に引き寄せられる。

「たく、ほんとに直んねぇなその癖」と言いながら一護は私の頭を小突いた。

「イテっ、ちょっと馬鹿になったらどうすんのさ」

「心配すんな、お前は元々馬鹿だ。」

「は!?なにそれ酷い!」

そう言い私も一護の背中をポコスカ叩く。

そうするとやめろと言われもう一度小突かれ、痛かったのでやめた。

今これ以上小突かれたら本気で馬鹿になりそうだ。

「それよりお前、中学に比べて高校の方が距離長ぇんだ。朝の素振りの時間もう少し減らせ。」

「えぇー」

「えぇーじゃねぇよ!今日だって俺が来るまでに準備できてなかったじゃねぇか。」

「それはそうだけど...」

それとこれとは話が違う。

何度も言うが私にとって朝の鍛錬の時間は至福のときと言っても過言では無い。

そんな時間を減らせというのは少し酷というものだ。

それに最近準備が遅いのは鍛錬の時間のせいではない。

「なんか最近目覚め悪いんだよね。」

「お前が?」

一護は驚いたような顔で私を見る。

それもそのはず、私は小さい頃から夜明けと同時に起き上がる完全朝型人間。

一護の家に泊まりに行ってもそれは変わらないのでその様を小さい頃から一護はよく知っていた。

寝起きは良く、決まった時間にスッキリ起きれるので、生まれてこの方目覚まし時計を使った事がなかった。

「なぁ、あんま溜め込まないで俺ん家来いよ。親父もユズもカリンも心配してるぞ。」

「いや、じいちゃん居た時の生活と差程変わってないんだよね。家事全般私やってたし。」

別に新生活で疲れるって性格でもないしなぁ。

本当にそんな訳では無いのだ。

「知らねぇ間にストレスってのは溜まってるもんじゃねぇの?やる事は変わってなくても、じいさんがいるかいないかだと気持ちが変わってくんだろ。それに道場が無くなったのも大きいだろ。」

俺もじいさんの道場好きだったからな。

そう言う一護も少し寂しそうな顔をする。

一護も前までは時々うちの道場で神谷活心流を習っていた。

確かにあの活気溢れる道場が無くなったのは寂しい。

けれどこれはそんなんでは無いのだ。

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設定タグ:BLEACH , 平子真子、黒崎一護 , 微クロスオーバー   
作品ジャンル:恋愛
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マニ。(プロフ) - ✉️。こんにちは!いつも作品見ています。嫌じゃなければ一緒にボードで会話しませんか?これからも更新応援してます💖 (1月22日 19時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななな | 作成日時:2023年11月28日 20時

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