あなたの残した陽だまり ページ37
それからというもの月に2回の定期検診には平子隊長が着いてきてくれるようになった。
それを見てギンくんも「僕も行く!」といい始めてギンくんも着いてきてくれるようになった。
そして変わらず平子隊長は私の手を温め続けてくれていた。
それから長い時間がたって喜助さんが十二番隊の隊長に就任した。
喜助さんと親しげに話している私を見て隊長とギンくんがまた鬼の形相になったのはまた別のお話。
楽しい毎日だった。
でもまだ私はこの不思議な感情の名前を知ることは出来なかった。
「Aちょっとこっち来ぃ」
ある日の事平子隊長に呼ばれ隊長の隊首室に行った。
「どうされたんですか?」
「Aに渡したいものがあんのや」
そう言って平子隊長は小さな木箱から綺麗なキラキラとした物を取り出す。
「それはなんですか?」
「耳飾りちゅうやつや。」
綺麗やろ?と言われ何度も頷く。
平子隊長は優しく私の右耳に耳飾りをつけてくれた。
「ちょっと霊圧制御装置取ってみ?」
「えっでも...」
「ええからええから」
そう言われ私は恐る恐る霊圧制御装置を取ってみる。
すると驚いた事に霊圧が膨れ上がることも、色が見えることもなかった。
「隊長これって...」
「可愛い女の子があないなゴツイ鎖首に巻いとったら可哀想やろ。喜助に頼んで俺が買ってきた耳飾りに霊圧制御装置の技術を全部詰め込ませたんや。」
ほら見てみと言われて鏡を手渡される。
そこに移るのはいつもの私だけど耳飾りだけがやけに光って見えた。
「あぁやっぱり俺の目に狂いはなかったわ。」
綺麗やでA。
そう言って笑う彼の顔を見てまた胸が高鳴った。
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屍乃(プロフ) - 初めまして、屍乃(しの)と申します。傘村トータ様の楽曲、平子真子という推しの話という事で読まさせていただいてます。全体的にすごく好きです。ななな様の作品がこれからも増えるのを楽しみにしてます。応援してます。 (2023年1月23日 22時) (レス) @page41 id: f0eb019efd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななな | 作成日時:2023年1月2日 23時