あなたの残した陽だまり ページ28
五番隊隊舎を出て瞬歩で約束の場所に向かう。
二人に引き止められたせいで時間は大分ギリギリだ。
約束の場所に行くとそこにはもう待ち合わせをしていた人が立っていた。
「遅くなってごめんなさい喜助さん！」
「大丈夫っスよ、僕も今来たところっス。」
そう言ってヘラりと喜助さんは笑う。
喜助さんと私は昔からの中で同じ家に住んでいる。
とは言ってもさっき隊長達が騒いでいた男女の中では無い。
喜助さんは私が幼い頃自分の体の体質で苦しんでいたところを助けてくれて引き取ってくれた恩人である。
霊圧制御装置を作ってくれたのもこの人だ。
小さい頃から面倒を見てもらっていて、所謂保護者と言うやつである。
なので喜助さんとも仲のいい夜一さんにもお世話になっている。
もし私に両親がいるならお母さんが喜助さんでお父さんが夜一さんだと思う。(性別は逆だけど...)
｢じゃぁそろそろ行きますか〜｣
そう言って喜助さんと歩き出す。
向かうのは四番隊隊舎。
私の体の定期検診である。
私の体を見てもらっている間喜助さんが私の霊圧制御装置を見てくれる。
四番隊に行く間に喜助さんに今日あった事を話す。
喜助さんは優しい顔で頷きながら聞いてくれる。
時々チラチラと見える色が優しい色をしているのがわかる。
この色を見る度あぁこの人に拾ってもらって良かったと思う。
一通り話終わったあと喜助さんが優しい顔で口を開く。
｢五番隊に入ってからなんだか可愛らしくなったっスねA。｣
｢そう？｣
｢はい！元々Aは美人ですけど、五番隊に入ってから可愛らしく笑うようになった。｣
自分では何が変わったのかよく分からないけど、喜助さんが変わったというのなら変わったのだろう。
でもきっとそれは全部あの人のお陰なのだろう。
五番隊に入ってあの人のそばで色んなことを教えて貰った。
執務や任務の事だけじゃなくて楽しい事、嬉しい事、優しい事...色々知らない事を教えて貰った。
世界が一気に色付いた。
全部全部あの人がくれた物だ。
｢A｣
名前を呼ばれ顔を上げる。
すると喜助さんは嬉しそうな顔をしていた。
｢僕は君がそうやって可愛らしく笑えるようになった事が何より嬉しい。｣
優しい貴方の色が私を包んで見守ってくれる。
私はそれがものすごく幸せに感じるんです。
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屍乃(プロフ) - 初めまして、屍乃(しの)と申します。傘村トータ様の楽曲、平子真子という推しの話という事で読まさせていただいてます。全体的にすごく好きです。ななな様の作品がこれからも増えるのを楽しみにしてます。応援してます。 (2023年1月23日 22時) (
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作者名：ななな | 作成日時：2023年1月2日 23時
