二十四 ページ25
夜になるとお客の声や下駄の音が響く。
表の受付の所で正座をしお客の相手をしていると外は雨だと気づいた。
…提灯の灯りはついているだろうか。
心配になり外に出ると光はまた弱くなっていた。
これでは、提灯が駄目になってしまう。
私は、提灯を手に取り片付けようとしていると雨が自分に降っていないことに気づいた。
…以前もこんなことが
振り返るとそこには細谷さんが立っていて「濡れるよ？」と首を傾げていた。
「…細谷さんが濡れますよ」
「俺は大丈夫。俺も手伝うから傘持ってて」
はい。と傘を渡された為手に持つと細谷さんは提灯をかけるための棒を取り提灯も受け取っていた。
これでは細谷さんがずぶ濡れだと思い細谷さんの方に傘をさすとくすくすと笑っていた。
「俺じゃないのに」
「この傘は細谷さんのじゃないですか」
「Aさんにあげようか？」
「大丈夫です」
細谷さんは荷物を全て持つと私の手に触れ傘を近づかせた。
そうされると必然的に距離が近くなる。
雨の音しか聞こえないのに二人のあいだにしか聞こえない音があった。
「じゃあ、Aさんも濡れないように」
「、距離が」
「大丈夫だよ。」
少しだけ髪が濡れている為どこか色っぽい。
先日、二人だけの時に接吻された事を思い出し私は自然と顔が熱くなった。
これではまるで先日の事を気にしているかのようだ。
細谷さんから離れようとしたら細谷さんは傘を持ってる手で私の手に触れた。
「なんで逃げるの？」
「…いや、その」
「俺は気にしてないよ。
だから、安心して？」
「気にしてないって…そちらからしたのに」
「…ごめんね」
「私が気にしているの馬鹿みたいじゃないですか」
声が雨より少し大きくなった。
細谷さんは首を横に振り私の目を見てきた。
「馬鹿じゃないよ。
俺も緊張しているから」
「じゃあなんで」
「かっこ悪いって思ったからかな。
少しでもAさんの前では大人に思われたいなって」
「そんな強がり嫌です。
私は出会った時から貴方のことを理解していないと思うので。少しずつでも私は細谷さんを知りたいです」
細谷さんは私を見るとふわっと微笑み私のおでこに唇を当てた。
「ありがとう。」
どこか落ち着いた低くて綺麗な声
私はおでこを押えて彼を見る。
細谷さん、貴方はもう私にとって大人な男性ですよ。
私は嬉しくなりくすっと笑った。
−−−−−−
お久しぶりです。
再開しました。
遅くなりすみません
続く
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綉 - おはようございます。これって読んで行かないと誰が出て来るとかってって分からないんでしょうかね？ (3月15日 7時) (
レス) id: 6d33361b7d (このIDを非表示/違反報告)
井戸 - うわぁあああ！！ はる春さんだぁあ！！この話大好きです！ (2019年7月13日 7時) (レス) id: 1e21205b19 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅり(プロフ) - ハル春さんの作品大好きです！更新楽しみにしてます。 (2018年8月8日 23時) (レス) id: 229459fcea (このIDを非表示/違反報告)
ゆかこ - この続きが気になります！！ (2018年8月3日 23時) (レス) id: 8ead2b98e6 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - いえいえ！毎日の日課にします！ (2018年3月7日 22時) (レス) id: 3c862a1cac (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2018年2月27日 0時
