二 ページ3
細谷さんは週に数回来ては私と会話をして帰っていってた
姉様方の座敷には行かないらしい
…変わった人
そんなことを思いながら働いていたある日の夜
「今日はお客様が多いですね」
「そうだねぇ。A、奥の間にお酒を」
「はい」
ある一月の寒い時
お酒が売れていく
…人手が足りないな
そう思いながらお酒を持って座敷に行こうと歩いていたら急に座敷の襖が開きお客様がぶつかってきた
「わっ、」
「おわっ！」
ぶつかった途端お酒が自分の方と
「うわっ、やべぇ
おい、兄ちゃん大丈夫か？」
「っ！？お、お客様申し訳ございません！」
丁度隣を通ろうしていた男性にかかってしまった
熱いお酒だから火傷を
おぼんを床に起きかかった男性の手を掴んだ
「火傷は」
「大丈夫です。
逆に貴方は大丈夫なんですか？」
「え、あ、慣れてますので」
そう咄嗟に言うと男性は「へー」と言って私の腕を掴んでいた
「っ！？」
「少し熱を持ってるから冷やした方がいい」
男性は私よりも背が高くここら辺ではあまり見ない顔だった
男性はそう言うと私の腕を引いて屋敷の外れにある井戸の方へと移動していた
「あ、あの」
「すぐに冷やさないと跡になる。
あとは、その酒臭さは嫌だろ」
酒臭さ
腕を引かれてるので男性の表情は見えない
けど私は男性の背中に向かって声をかけた
「大丈夫です。慣れてます」
そう言うと男性は一瞬こっちを見て足を止めた
どうしたんだろうか
そして振り向くと私の頬を摘んできた
「いっ、いふぁい！？」
「大丈夫と慣れを言わないようにしてやろうか」
「ふぁ、ふぁんへ？！」
「ははっ、へんな声。」
そう言うと男性はくすっと笑い私の手を握って歩き出した。
「しみるか？」
「いや、痛くはないです」
「そうか。」
手を水に浸したりしている男性は少しほっとした感じだった
…悪いのは私なのにな
すると男性は私に話しかけてきた
「座敷に出る？」
「え？いいえ。私はお手伝いです」
「てことはまだお相手してないんだ」
「で、ですね」
お相手というかお話し相手はいますが
そう思いながら水に触れていると男性は私の方を見ながら聞いてきた
「名前は？」
「Aです」
「へぇー、Aさんか。
俺は梅原。呉服屋で働いてるかな」
「呉服屋さんでしたか
てことは着物の」
「そう。丁度手直しでね」
そう言うと梅原さんは私に手を差し出してきた
「よろしく。」
「はい」
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綉 - おはようございます。これって読んで行かないと誰が出て来るとかってって分からないんでしょうかね？ (3月15日 7時) (
レス) id: 6d33361b7d (このIDを非表示/違反報告)
井戸 - うわぁあああ！！ はる春さんだぁあ！！この話大好きです！ (2019年7月13日 7時) (レス) id: 1e21205b19 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅり(プロフ) - ハル春さんの作品大好きです！更新楽しみにしてます。 (2018年8月8日 23時) (レス) id: 229459fcea (このIDを非表示/違反報告)
ゆかこ - この続きが気になります！！ (2018年8月3日 23時) (レス) id: 8ead2b98e6 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - いえいえ！毎日の日課にします！ (2018年3月7日 22時) (レス) id: 3c862a1cac (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2018年2月27日 0時
