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十六 ページ17

襖が開かれた

何故ここが

そして開いた襖の先には四人男性がいた

…あ


「……なん、で」


「やっぱりな」

「迎えに来たよ」

あの人達だ

顔を手で覆って溢れ出ようとする涙を隠していると頭を撫でられた

「う、梅原さん」

「うん。

帰るぞ」

「っ、なんで四人が」

「…それは内緒」

耳もとでそう梅原さんは呟くと私の腕を引いて立ち上がらした

そして、外の方では役人さんの声が聞こえこの屋敷に響き渡っていた

「西山

お前の策完璧だな」

「えへへ

完璧じゃないといけないからね」

…完璧?

二人の会話を聞いて考えていると背中をぽんっと叩かれ隣に津田さんが来た

「あの、西山くんね

今回のこの騒動の策を考えた首謀者。」

「え、」

「人攫いを長年しているこの屋敷をどうやってあばいて捕まえることが出来るかとずっと考えてきたんだ」

そんな、ことしてたのか

西山さんの方を見ると西山さんは一階の方で騒いでいる屋敷の方々を上から眺めていた。

そして、腰に携えてた刀を手にとると二階の方にいた屋敷の方々を取り押さえていた


…見ない間に変わった…

そう思っていると細谷さんが私の手首を掴んできた

「…?」

「あのー、ご飯食べてるか?」

「…そこそこは」

「なら、ちゃんと今度からは食べること。

そして帰ったら女将さんにただいまって言うんだよ」


…女将さん

生きてたんだ

それを聞いただけで胸がほっとして私は泣きながらこくりと頷いた



「屋敷にいた人達はほとんど男だらけ

ここの花魁の方々は皆連れ去られてきた人達だった。

役人の仕事をしながら遊郭の仕事をし
その稼いだお金は女性達にではなく自分たちの娯楽に使ってたんだってさ」

「嫌な金持ちだな。

お前とは大違い」

「よ、よしてよ。」

屋敷を出て帰る途中西山さんから素性を聞いてなるほどと思っていた。

でもこれでなくなるなら良かったかも

もう、次の犠牲者は出ないんだ

そう思っていると隣にいた細谷さんが話し出した

「ごめん

二年かかった」

「え…大丈夫ですよ。

逆に助けて下さりありがとうございます」

そう返すと目の前にいた梅原さんがこっちを見ないで言った

「…もうこんな事起きないようにする」

…その御心だけで嬉しいのにな

私はそう思うと黙って頷いた



「A!」
「女将さん!」

屋敷につくと女将さんが私を抱きしめてきた

あぁ


ここが私の帰る場所だ


二年たった屋敷は変わらぬ静けさで迎えてくれた

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- おはようございます。これって読んで行かないと誰が出て来るとかってって分からないんでしょうかね? (3月15日 7時) (レス) id: 6d33361b7d (このIDを非表示/違反報告)
井戸 - うわぁあああ!! はる春さんだぁあ!!この話大好きです! (2019年7月13日 7時) (レス) id: 1e21205b19 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅり(プロフ) - ハル春さんの作品大好きです!更新楽しみにしてます。 (2018年8月8日 23時) (レス) id: 229459fcea (このIDを非表示/違反報告)
ゆかこ - この続きが気になります!! (2018年8月3日 23時) (レス) id: 8ead2b98e6 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - いえいえ!毎日の日課にします! (2018年3月7日 22時) (レス) id: 3c862a1cac (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2018年2月27日 0時

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