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三十一 ページ33

立花さんの話を聞いて私は唖然とした。

櫻井さんが人を斬る…ってその時からなんだ。
そして、木村さんや立花さん、福山さんにも名前がありここにいることになって名を捨てた

いわば

忠誠を誓った。


「まぁ、話はそんなもんだ。Aさんは気にしなくていいよー」

そう言って立花さんは着物を置いてばいばいと手を振って部屋を出ていった。

この人達の秘密は多分


多い。


一人となった部屋で私はそう確信した
だが、その反面どこかで

お役に立てることはないかと思い始めていた。









「ほぉー、あの屋敷のご主人が」

「なんでも、床に伏せたとか」

ある晩、お座敷にお酒を運んでる時そんな会話が聞こえた。
しかも、話してる人はここで働いてる人


数少ない女の中に何故そのような会話がわかるのか
私はお酒を持ちながらそっと聞いていると


「そして、新しい妻を娶るんですって」

「えぇ、そりゃあ旦那様が亡くなれば跡取りの長男は妻を娶らなければね」

世継ぎ問題か

微妙に分かってきたぞ

その時後ろに下がろうとしたら何かにぶつかった


「っ!?す、すみません」

「あ、いいえ。…お怪我は?」

「大丈夫です」


長身のすらっとした男の人

お客様かな?

でも服装的にすごく上品な方

どこかのお偉い方かな?


咄嗟にそんなことを考えていると男性は私が持ってたお酒をスッと取っていた


「あ、それは」

「いいえ。大丈夫です。多分、奥の部屋ですよね?そこは私の家来がいる所なので」

け、家来??

どんどん謎になってきてる気がする


着物の裾を握って一度頭を下げた

「あ、ありがとうございます」

「いや、いいんだ」

そう言うと男性はニコッと笑って歩き出した。


珍しいこともあるんだな。

後ろ姿を見てそう思った後私は足早に台所へと戻った。




「は?妻?」

数日後、昼下がりの屋敷に気の抜けた櫻井さんの声が響いた

「はい、そちらで働いている一人の女性をら妻へと」

「それは、聞き捨てならない言葉ですね」

櫻井さんの低い声が響く

私は頼まれたお茶を持っていくため廊下を歩いてゆっくりと襖を開けた

「すみません。お茶を」

「あ、そう。彼女です」

「え?」


櫻井さんの目の前にいる人は…あ、この前の

夜あった人だ

その男性は私を見て一言


「彼女を妻に娶りたいのです」


「ええ!?」


私は驚いて声を上げた。


それを聞いてた櫻井さんは黙って男性を見ていた。

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はるか(プロフ) - すごく面白いです。いつもドキドキしてます。更新頑張ってください!! (2017年8月22日 19時) (レス) id: efe91ed229 (このIDを非表示/違反報告)
- あの、すいません、「十一」の話の「立花さん」が、「立場さん」になっていると思います。間違ってたらすいません (2017年7月22日 12時) (レス) id: c9821ec644 (このIDを非表示/違反報告)
青りんご(プロフ) - 世界観がすごく好きです。毎回更新されるたび嬉しくてすぐチェックしてしまいます^ ^応援しています! (2017年7月18日 15時) (レス) id: 591376f718 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すっごくすっごく面白くて、更新楽しみにしてます!これからも頑張って下さい! (2017年7月9日 0時) (レス) id: fee5a8ae7a (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - いい、、ですね、、、これからも応援してます!(゜▼゜*) (2017年7月4日 16時) (レス) id: 503188b34f (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2017年6月9日 13時

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