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二十六 ページ28

「女の子はそんなの持たなくていいよ。
血だって……自分から見なくていい」

櫻井さんはそう言って屋敷の中を歩き出した。

なぜ、走らないの?

右手に持っていた短刀を奪われた

そして、櫻井さんは立ち止まり大きな声で周りにいる刀を持った屋敷の者に言った


「相手をして欲しければ俺の屋敷に来い!
俺の屋敷には男が何人かいる。
そいつらが相手をしてくれるだろう。
ただし!

来たからには、


俺の前に来てからそいつらに会ってもらおうか」

私を後ろに隠しながら左手はグッと掴んだまま

周りを見て叫ぶ

そして分かるのは櫻井さんはその時あった時に相手をしてやるということ

今はしない。戦う意思はないということだった


この人


やはり当主なんだとおもった。


あの屋敷の上に立つ人で皆がついてくる人


すると櫻井さんはふと私の方を見た

「?」

「Aさん、帰りますか?」

「…はい。帰りたいです」


泣きそうなやっとと思った

櫻井さんはそれを聞いてフッと笑い私の手を引いて歩き出した


「く、倉本を返してもらおう」

そこに1人の役人が立ち塞いだ歳的に20代
震える手から見てなれてない人だ

私は自分の言葉でその人に伝えようと前に出ようとしたが


「A」

少し低くてスンッと通った声に驚いて前に出れなかった

「この人は返してもらう。
倉本は…この子は私の屋敷のものなのでね」

「っ、主人のお気に入りの男を私がみすみす逃すと思うか!?」

若い男が櫻井さんに刀を向ける

それを櫻井さん私の短刀でカチャッと受け止めていた

でも短刀と刀では埒が明かない

なのに

私は櫻井さんの背中に向かって


「櫻井さん!その刀では」

「力技じゃないのさ。…少年、用があれば俺の屋敷に来い。その時に相手をしてやろう。

だが、この子は渡せない。

屋敷の中でも大切な人なのでね」

櫻井さんはそう言うと上手く刀の向きをかえてまるで滑らすかのように刀を軽く弾き男性との距離を近づけていた

その時私は危ないと思ったのかトンっと胸を押されてその場から少しだけ離れさせていた


「っ、櫻井さん!危ないです」

「案外俺弱いって思われてるかな?
酷いなぁ、俺あの中じゃ刀の扱いは一番だよ」

私の方を一度見たあと答えた


櫻井さんはそのまま男性の刀をうまく弾き畳に突き刺した


「……刀と短刀そんなに差はないんだぜ?
差があるのは…使う奴の意思の強さだ」


短刀を男性に突きつけたまま静かに櫻井さんは答えていた。

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はるか(プロフ) - すごく面白いです。いつもドキドキしてます。更新頑張ってください!! (2017年8月22日 19時) (レス) id: efe91ed229 (このIDを非表示/違反報告)
- あの、すいません、「十一」の話の「立花さん」が、「立場さん」になっていると思います。間違ってたらすいません (2017年7月22日 12時) (レス) id: c9821ec644 (このIDを非表示/違反報告)
青りんご(プロフ) - 世界観がすごく好きです。毎回更新されるたび嬉しくてすぐチェックしてしまいます^ ^応援しています! (2017年7月18日 15時) (レス) id: 591376f718 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すっごくすっごく面白くて、更新楽しみにしてます!これからも頑張って下さい! (2017年7月9日 0時) (レス) id: fee5a8ae7a (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - いい、、ですね、、、これからも応援してます!(゜▼゜*) (2017年7月4日 16時) (レス) id: 503188b34f (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2017年6月9日 13時

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