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十五 ページ16

おぜんを運び終わったあと受付の手伝いをしにいった

「なにか出来ることありますか?」

「え?あんたもう終わったの!?」

「はい」

「…仕事が出来る女は私好きよ」

受付をしている女性がそう言って私においでと手招きしてきた


近寄ってみるとそこには


「……これは?」

「客のどこの部屋に入ったかっていうのを書いてるのさ。ここの部屋はお茶処の女将さんが、それと城下町のお偉いさんがってね」

黒の墨でそう枠の中に書かれていた


「私が指で合図を出すからさ3ってやったら左から三番目の部屋。0ってやったら櫻井さんの客って印をつけて」

なるほど

つまり最後まで残った人が今回夜の相手した人


という事かな?


筆を持って本を見ているとガシャンッという音が

どこの部屋からだ?

後ろを振り返って音の方を見てみても暗闇

奥の部屋かな?

すると女性は厄介そうな顔をしながら私に言ってきた


「ちょっとごめん。あっち見にいってくれんかな?
ちょっと…厄介そうな気がする」

「え、あ、はい」

私は本と筆を置いて奥の部屋へと行った

少しだけ走ってみると


「こんなことしたくないんだけどな」

「か、か、勘弁してくだせい。旦那は凄いやないですか!こんな店も開いて…なぁだからちょっと」

「うるさい!そんなもん出来るか!」

足を止めて廊下の奥の方を見た


襖が倒れていて男がその襖の上に倒れていた

そして、キラリと光る何か


「…櫻井さん?」

刀を持った櫻井さんが男に刀の先を向けていた

櫻井さんは右手で刀を持って左手は懐にしまっていた


怖い…


けど


「だ、旦那命だけは」

「…貴様がまいた種だ。償え」

刀が男の首へと向かおうとした時だった


「待って下さい!!」


私は男と刀の間に入り込んで男をかばっていた


男も驚いていたが


「っ、どけ」

「いいえ、どきません」


一番驚いていたのは櫻井さんだった


櫻井さんは1度息を吐いたあと

「A退くんだ」

「嫌です!退けばこの人を刺しますよね!?」

「…死にたくなければ退くんだ」

「っ、殺すまでの程ですか!?話し合いで解決出来ないんですか?!わたしは…私は死ぬのを見たくない!」

「……A」


低い声が響く

嫌だ

男をかばう手が震えてるのがわかった

自分も死ぬかもしれないんだ


その時私の頬を刀が通った





「ひぃいっ!?」

「…今日は見逃してやろう」

櫻井さんは私を引き寄せてそう言っていた。

十六→←十四



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はるか(プロフ) - すごく面白いです。いつもドキドキしてます。更新頑張ってください!! (2017年8月22日 19時) (レス) id: efe91ed229 (このIDを非表示/違反報告)
- あの、すいません、「十一」の話の「立花さん」が、「立場さん」になっていると思います。間違ってたらすいません (2017年7月22日 12時) (レス) id: c9821ec644 (このIDを非表示/違反報告)
青りんご(プロフ) - 世界観がすごく好きです。毎回更新されるたび嬉しくてすぐチェックしてしまいます^ ^応援しています! (2017年7月18日 15時) (レス) id: 591376f718 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すっごくすっごく面白くて、更新楽しみにしてます!これからも頑張って下さい! (2017年7月9日 0時) (レス) id: fee5a8ae7a (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - いい、、ですね、、、これからも応援してます!(゜▼゜*) (2017年7月4日 16時) (レス) id: 503188b34f (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2017年6月9日 13時

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