帯を解いて君を抱く

十二 ページ13

あの後、寝ることが出来す少し早めの朝食作り


台所の方では私が使う包丁の音しか聞こえず静かだ


今日の朝ごはんはお味噌汁にご飯におひたしに


献立をひとり考えながら手を動かしていると足に何かが触れる感触がした

「うわっ」

驚いて下を見るとそこにあったのは紙を折り曲げて作ったなにか

何これ？

それを手に取ると影の方から声が聞こえた


「お？気づいたか」


「…おはようございます」

朝からなぜにそんなケロッとしてるのだろうというぐらい機嫌がいい福山さんがそこにはいた

「それさ、その形なら何故か遠くまで飛ぶんだよ。本当に変わってるよなぁ。」

「へぇー、初めて知りました。」

「俺も作って分かった」

凄いなこの人

福山さんはんー？とした感じで私が作ってるのを覗き込んできた

「当ててやる。味噌汁の具材」

「ご名答です」

確かにみそ汁の具だけど

「よくニラでわかりましたね」

「んー？ニラもだけど他のでも当ててやった。」

だから当てたのかい


クスクスと笑いながら手を動かしていると福山さんが着物の袖を襷掛けしていた

「？福山さん？？」

「俺に出来ることは？」

「え」

「1人であいつらの数も入れたら多いだろ？」

「だ、大丈夫です！」

「いいっていいって俺に指示さえすれば俺動くから」

「ぇ、あ、では。
おひたし作りたいので私が言いますからやってもらっても？」

「おぉ、ええよええよ」

何故に西のお言葉が？


おかしな人だな

でも物覚えが早い

私が一度指示しただけでそれ通りにしてくれる

この人


「完璧です」

「おー、よかったよかった」

恐ろしいかも

味噌汁を煮込んでいると福山さんが私の肩をチョンチョンとしてきた

「はい」

「はい、口開けて」

「え？、あ、んっ」


箸が口の中に入ってきて驚いたが

あ

「おひたしの味付けも完璧ですね」

味見だったのか

野菜のいい味してるしてる

1人もぐもぐと食べていると福山さんがお玉に味噌汁をついでそれをのんでいた

「あ、お玉」

「おー、美味いじゃん。Aさんも飲んでみ」

そう言って私にお玉を渡してきた


全く

そう思いながらお玉についで飲もうとした


が


「…これ、してしまえば接吻じゃないですか？」

「ん？…うん俺と間接的になるね」

どどどどうしょう


焦って動けなくなった


これはなんとしたら


すると


「俺がつけてない方で飲めばいいんじゃね？」


と言い持ち替えて飲ませてきた。

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