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二十八 ページ30

回想



「俺、刀持つの苦手」

五年前、櫻井はそんなことを言って稽古をあまりしなかった

そんななか


「孝宏、さぼるではない」

「っ〜だってさー」

櫻井の祖父は袴姿に腰に木刀をさして仁王立ちしていた

「櫻井さん、これは諦めましょう」

「おぉ、師匠カンカンやん」

「櫻井さん真面目に受けてください」


それを見て道場の後ろの方から立花、福山、木村が声をかける


だが櫻井にとってそれは嫌だった

今の世の中刀を持つより何かいい方法があるはずだ。
巷では薩摩と長州が手を組んでいるとかいないとか
多分今の幕府を変えるためであろう

櫻井は幼い頃から

これが嫌いだった


手を汚さず誰も死なない


この方法はないのかと


だが、現実は厳しいものだった


「孝宏、次期当主のお前がそれでいいのか?」

「刀を持つ時代は終わると思うんです。
血を流さない何か方法を」


その時、櫻井は自分の腹部に何かが突き刺さる感覚を覚えた


ドサッ


「ガハッ!?ゲホゲホ」

「その時はその時!お前はまずは刀を持て」

「刀の時代は終わるんだ」

「その時は時の行く末。
孝宏、もしもの時の護身用でいい。
我が櫻井家が使えている御館様もお前の腕は気に入っているのだ」


昔からそれに反し櫻井の刀のさばきは素晴らしいものだった

あるものは「龍の刃」「天の裁き」と褒めるほどの美しさだったのだ。


そして、今道場にいる立花、福山、木村は訳あってここにいた

立花は、生まれた家系は普通の町民だったのだが幼い頃からの優れた記憶力と身体能力に両親が恐れて引き渡された

福山は、武士のでだったがその家で婚約を無理やりされそうになり家系を嫌い福山は夜逃げ。そして逃げた先がここで武道を気に入られてここに済むようになった


木村は、商人と花魁の間に生まれた子。ずっと父の仕事を手伝っていたがある時母の客であった男が父親を抹殺。それを見た木村は咄嗟に近くにあった包丁で男を瀕死に。母は木村を引き取ろうとしたが木村は拒絶しそれを見た櫻井の祖父が引き取った


みんな様々なことがあってここにいるのだ。


櫻井は長男として生まれて次期当主として鍛錬をしているが本人は嫌だった


こんなのしても何もならない


そう考えた櫻井は夕暮れ時の空を見てため息をついた。

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はるか(プロフ) - すごく面白いです。いつもドキドキしてます。更新頑張ってください!! (2017年8月22日 19時) (レス) id: efe91ed229 (このIDを非表示/違反報告)
- あの、すいません、「十一」の話の「立花さん」が、「立場さん」になっていると思います。間違ってたらすいません (2017年7月22日 12時) (レス) id: c9821ec644 (このIDを非表示/違反報告)
青りんご(プロフ) - 世界観がすごく好きです。毎回更新されるたび嬉しくてすぐチェックしてしまいます^ ^応援しています! (2017年7月18日 15時) (レス) id: 591376f718 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すっごくすっごく面白くて、更新楽しみにしてます!これからも頑張って下さい! (2017年7月9日 0時) (レス) id: fee5a8ae7a (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - いい、、ですね、、、これからも応援してます!(゜▼゜*) (2017年7月4日 16時) (レス) id: 503188b34f (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2017年6月9日 13時

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