☆第８話☆ ページ8
・
着いたのは誰もいない公園。
「___さて、何から聞きたい？」
青年はベンチに腰掛けて星華に問うた。
「………ではまず、氷花を殺したのはあなたですか？」
低い声が暗い公園に響く。
氷花の近くにいたこと、
聞こえた青年の言葉から星華は質問した。
「……自分のことはいいのか？」
「それも聞きます。けど、先に答えて。」
真っ直ぐな瞳。
応えないわけにはいかないだろう。
「……ああ。彼女は俺の担当だった。」
「……！……そう、ですか」
重い沈黙が流れる。
青年は責められる覚悟はしていた。
「……なぜ
なぜ、私の前に現れたんですか？」
「……え」
責める言葉はなくて、青年はまた唖然とした。
「いや、先程も言ったが死期が近い人間には俺が見える。だから」
「だから、なぜ私の前に【死神として】現れたのかと訊いているんです」
また説明を加えようとした青年を遮り、誰でも疑問に思うであろうこの青年の謎の行動の真理を求める。
「………俺は、
死にゆく者に後悔してほしくないんだ。」
星華の言葉に青年ははっきりと答えた。
「……っ、では、氷花は後悔なく死んだとお思いなのですか？」
「……俺にできることは全てしたつもりだ」
その言葉に少し考えて、
「よかった」と言葉をもらす星華。
その表情はとても優しくて、青年も自然と顔がほころんだ。
「それで、今度は私の未練をなくさせるために動いてくれると？」
くるっと青年に背を向け星華は問うた。
「ああ。そのつもりだ」
「ふ〜ん」
まだ信用しきってはくれないのだろうか？
そんな思いで星華を見つめる。
「お兄さんは、氷花を大切にしてくれたんですね」
不意に投げかけられた言葉に、青年は驚いて目を見開いた。
___お兄さんは、私のこと大切にしてくれたよ
こちらに顔だけ振り返るような姿勢で。
少し微笑んだように細められた澄んだ瞳が、氷花との記憶と重なって、不意に青年は泣きたくなった。
だがそんなところを見せるわけにもいかず下を向く。
「……っなぜそう思う。俺は君の親友を……」
「いっちょまえに傷ついてくれてるの？
死神なのに。」
星華はどストレートに言った。それに青年は「ぐっ」と言い淀む。
「……そういうところが、だよ」
星華の言葉にハッと顔を上げる。
いつのまにか目の前に笑顔の星華がいて、さりげなく敬語が外れていた。
「じゃあ私の未練も昇華させてよ。
おにーさん。」
これはきっと、信用の現れ。
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紅葉(プロフ) - 如月 唯奈さん» コメントうれしいです！読んでくださり、ありがとうございました！受験頑張りますね！！ (2018年12月1日 16時) (
レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - 初めまして、小説読ませていただきました！私も死神が出てくる小説を書いているので、いろいろ参考になりました！受験頑張ってください！ (2018年12月1日 15時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 時雨さん» うわぁあありがとうございます！！むっちゃうれしいです！！ありがとうございます！！頑張りますね！！ (2018年10月7日 21時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - この作品が大好きです。これからも応援させて頂きます。（お気に入り登録と評価の方もさせて頂きました。） (2018年10月7日 21時) (レス) id: c02ba4ffe7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 紅苺さん» コメントありがとうございました！ちょっと作風変わるかもですけど試行錯誤してみます！ (2018年10月6日 17時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉 | 作成日時：2018年8月13日 19時
