【稲荷崎】隣の席の子にギャップ萌えした

ギャップ５ ページ5

担任「じゃあ、日直は職員室きて」




ＳＨＲが終わると、担任の教師はそう言って出ていく。



クラスは学校が終わったことに喜び、早く移動しようとする者と教室で駄弁る者に別れる。


治には日直で部活が遅れることは伝えてあるし、さっさと職員室に向かうか。



と、思ったが。





角名「え、もういないんだけど」





気がついたら、仔朔さんがいなかった。


え、幻のポケ○ンなの？

見つけても逃げちゃう系なの？




急いで廊下に出てみれば、目立つ茶髪を見つけて追いかける。





角名「仔朔さん！」




A「！」





俺が名前を呼べば、彼女は振り返った。


驚いたような顔で俺を見るけど、俺も驚いてるからね。





角名「職員室でしょ？一緒に行くよ」




A「……部活は？」




角名「遅れること伝えといたから大丈夫」




まさか、部活に所属してるから仕事しないと思われてたのか……？



仔朔さんは「ごめん」と言うと、また歩き出した。

なんで謝ったの。




彼女の隣を並んで歩く。


めっちゃ不思議な感じだな、隣に並ぶと。



特に話すこともなく、微妙に気まずい雰囲気のまま職員室に向かう。




担任「お、A達きたな。コレ、頼むわ」




角名「はい」





渡されたのはプリントだった。


てか、先生は仔朔さんのこと下の名前で呼んでるのか。



それを持って職員室を出ると、俺が持っていたプリントを仔朔さんが全部取った。


え、なんで。





A「プリントだけだし、部活行ってきなよ」




角名「いや、日誌も書かないと」




A「もう終わるから大丈夫」




角名「いや、そういうことじゃ……」





俺はどうしていいかわからず、仔朔さんを見る。


こんなにも言いたいことが言えないのは初めてだ。




だが、その時。


仔朔さんの目が大きく見開かれ、俺をじっと見つめた。



俺は驚いて彼女を見る。





A「え、アンタ……標準語！？」




角名「え、あ、うん」





仔朔さんって、こんなに声が大きく出せるんだ。

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