【稲荷崎】隣の席の子にギャップ萌えした (ページ6)

今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:25,115 hit

ギャップ６ページ6

角名「俺、こっちの方言話せないから」

俺がそういえば、仔朔さんはありえないと言うかのように目を丸くする。

いつも無表情なのが嘘のようだ。

A「でも、クラスの奴と話せるじゃん」

角名「いや、普通は話せるでしょ」

A「無理無理！！絶対無理だよ！！！

話してても何言ってるかわからないし、

あのパリピ感バリバリのオーラに引くし、

テンション高いから口調も早くてついていけないし！！

お願いだから日本語喋って！！

Ｉｃａｎ＇ｔｓｐｅａｋＥｎｇｌｉｓｈ！！」

角名「落ち着け、大阪弁は日本語だし、むしろお前が英語喋ってる」

え、仔朔さんってこういうキャラだったの？

めっちゃ意外だけど、超絶喋るじゃん。

角名「もしかして、俺が大阪弁だと思ってたから話してくれなかった……とか？」

A「イカにも☆」

角名「俺の苦労を返せ！」

いい笑顔で指をイカポーズにして言ってんじゃねえよ。

てか、そのネタわかる奴いないだろ。

A「私は高校を機にこっちに引っ越してきたからさ。

友達作るぞ！って思ったけど、まず会話ができなかった」

角名「でも、わかんなくないかも。

時々わからない言い回しとかでてくるし」

A「おお、わかってくれるかセンター分け！」

角名「センター分け言うなや、グラデ頭」

え、この見た目であの態度が……。

実は、大阪弁チキってたから話せなかっただけ、と？

角名「じゃあ、県外合格者同士仲良くしようよ」

A「え、仲良くしてくれんの？

もしかして、アンタって神様なの？天から舞い降りてきてくれたの？」

仔朔さんはそう言って、嬉しそうに笑った。

その瞬間、不意にもときめいてしまった。

まさか、あの仔朔さんが笑うとは思わなかったし。

……もしかして、これってあれだろ。

『ギャップ萌え』ってやつだ。

A「ねー、名前なんていうの？」

角名「え、知らなかったんだ。俺は角名倫太郎。」

A「私は仔朔Aだよ。よろしくね、りんりん」

角名「おい、なんで『りんりん』なんだよ」

A「りんりん、教室まで競走しよう！」

角名「話聞けよ！」

楽しそうに走るAを見て、

やっぱり噂ってあてにならないな、と思った。

あと、Aの素は結構好きだ。