悪戯が11回 ページ13
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『…で、最後に鏡ちゃんと直接あったのはA。コンビなんかも最近は組んでるから相棒を探せと。
認めない!A鏡ちゃん消えたとか!認めん!』
わあわあとマフィアビルで騒ぐ人物が1名。言わずとも彼女しか居ない。目の前でそんな彼女を若干軽蔑する目で見る人物、芥川。
「…否。鏡花を引き戻すのと人虎を捕らえる。それを同時に行う。
それには三宅の力がいる」
ぽかんとAは芥川を見た。
『や、やつがれ先輩がAを頼るとか…世界滅びる?』
「自称遊撃隊副隊長が何様だ。」
『いや、事実じゃん。びっくりしたよ…でもさやつがれ先輩、鏡ちゃんは外の世界で生きた方がしあわ、』
芥川はその言葉を止めるように、Aの頬を叩いた。
「彼奴の異能力、夜叉白雪は殺戮の権化だ。そんな奴が外の世界で生きられると思っているのか」
『…分かってないのはそっちじゃなくて?誰だって、救われる権利はある。誰かがそれを奪おうなんて…許されない。生きる意味もそう。
それがたとえ、A達の生きるこの、闇の社会でも。鏡ちゃんはまだ14歳、まだ…まだ、未来は変えられる。Aは、そう思う』
_________Aは駄目だった、でも、鏡ちゃんなら、きっと…
光の世界を、謳歌してくれる。
芥川は苛立ちを隠そうともせずAに異能を向けた。Aも対抗してさっと背中から鉈を出して構え、両者がぶつかり合う音が響いた。
「…外の世界で待つのは、"どん底"だ。貴様には分からんだろうがな」
芥川は、Aが過去からそこそこ良い育ちだと思っていた。が、Aの反応は芳しくなかった。
驚いたように目を見開き、少ししてからそっか、と納得したようにははっと笑った。
『…あっそーお。やつがれ先輩の過去はA知ってるけど、やつがれ先輩はAの事知らないもんね。
Aがその"どん底"、知らないとでも思ってたんだ?』
「何____」
Aが地面を蹴って後ろに飛び、数米離れたところで立ち上がった。
『ばかだなあ、やつがれせーんぱい。A意外と知ってるよ、辛い事』
切なげに微笑んだ彼女は、そのまま踵を返してつかつかと歩いていった。
そして、芥川が自分の頭に金髪クルクルパーマのカツラとデカリボンがその上に乗っているのに気づくのは2分後の話である。
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君死勿 - 樋口「芥川先輩〜!?!?」←ってなってそうですね… (8月30日 13時) (レス) id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)
和歌 - 素敵な作品ありがとうございます! (2022年8月17日 0時) (レス) @page1 id: 5bd59d973a (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - いえ!頑張って下さい! (2022年7月29日 12時) (レス) id: cf85aeee8c (このIDを非表示/違反報告)
しろみぃ(プロフ) - 彩さん» わーー!!ありがとうございます!!!!更新頑張らせて頂きます…!! (2022年7月29日 12時) (レス) id: 02d7799d85 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - この作品大好きです!これからも更新頑張って下さい!私の心の癒しです! (2022年7月29日 9時) (レス) @page11 id: cf85aeee8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しろみぃ* | 作成日時:2022年7月22日 22時