situation (ページ7)

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▼ふかこじページ7

:

「おはようございます！」

朝の8:35

決まって俺はこの喫茶店に寄る。

そしてカウンターの、
前から2番目の席に座る。

「今日もありがとうございます。
いつものですよね！」

「…はい。お願いします」

俺、深澤辰哉はこの喫茶店で働く
向井さんに片想いをしている。

店員の名前が分かるのは、服に付属されているネームプレートに〝 Mukai 〟と書かれているからで、下の名前は当然知らない。

向井さんからしたら、俺の苗字も名前も知らないんだから、顔見知り程度。

「珈琲とサンドイッチです。どうぞ！」

「ありがとうございます」

出勤前の朝食、

昼休みの昼食、

残業終わりの夕食。

よっぽどの何かが起きない限り、俺は毎日の3食をここで食べて過ごしている。

「朝は決まって珈琲とサンドイッチですよね。
飽きません？(笑)」

「じゃあ、向井さんは
毎朝食パン食べてて飽きますか？」

「いや、飽きても味変させますね～」

「でしょー？あと……ここの料理、全部美味いんで。死ぬ時もここのサンドイッチが良いです」

「そんな大袈裟な……(笑)」

大袈裟なんかじゃないですよ。

あわよくば……毒が入った珈琲を向井さんと飲んで一緒に死んでも良い。

………なんてね。