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·Side:M
お互いに服を選びあって 意外とAって服選びのセンスあるんだね なんてふざけてみちゃったりして。
頬をぷっくりと膨らませて如何にも怒っています、とアピールするけれど実は怒っていないやしないって分かってる。
けれど彼女のそんな癖のようなものを理解しているのは僕だけでいい、なんて幼い頃から思ってしまっていたんだ。
だから僕は今日も彼女の嘘に騙された"フリ"をする。
「うう…A、ごめんね」
『んー、もういいよ。でもクレープ奢ってね』
「……はいはい」
そう、甘い物で満足する所も昔から彼女は変わってない。
▽▲▽
Aにクレープを一つ買ってショッピングモール内を歩く。
食べる方へと意識が向いているのか、Aはクレープをぱくりぱくりと食しながらちょこちょこと僕の後ろを着いてくる。
まるで小動物みたいだ、と小さく笑ってから視線を前に移した時
今はあまり見たくなかった純白のウェディングドレスが店頭のショーウィンドウに。
『後悔、してる?』
「………してないよ。僕が自分で選んだ道だもん」
おずおずと僕に聞いてくるAに僕はそう返す。
何故だろう。
僕自身もよく分からないけれど不思議と全くと言っていいほど後悔はしていないんだ。
罪悪感は勿論ある。
僕と共に人生を歩むと誓ってくれた女性には申し訳ないと。
『っ…ごめんね』
「謝らないで」
恐らくAは 私が2週間前にあんなことを言わなければ と自分を責めてしまう。
ねえA。
考えても見てよ
確かに言い出しっぺはAだったけれどその誘いに乗ったのは他ならない僕でしかないんだ。
だから、謝らないで。
だって、
「僕Aが笑っててくれた方がすきだよ」
だからもう謝らないで。気にしなくていいんだ。
その後はもう何も言わずにAの頭を撫でて手を握った。
握り返されたその手を解くこともせずに僕らはまた歩き始めた。
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如月 夢歌(プロフ) - 雪見さん» ひぇぇぇ尊敬だなんてこちらこそ恐れ入ります。。読んでくださっていたなんて…嬉しいです。頑張ってください〜! (2017年12月10日 19時) (レス) id: e1a8eff171 (このIDを非表示/違反報告)
雪見(プロフ) - 如月 夢歌さん» ありがとうございます!まさか如月夢歌さんに読んでいただけてコメントまで頂けるなんて恐れ多いです(汗)実は私、如月夢歌さんの作品を陰ながら拝見させて頂いております…。尊敬する方にそう言っていただけると嬉しいです!更新頑張ります! (2017年12月10日 19時) (レス) id: 21808aae1e (このIDを非表示/違反報告)
如月 夢歌(プロフ) - 一気に読ませてもらいました。間の取り方などこうやってとるのか…と勉強させてもらいました(*´∀`*)これからも読ませていただきたいと思います。更新頑張ってください(*^^*) (2017年12月10日 16時) (レス) id: e1a8eff171 (このIDを非表示/違反報告)
雪見(プロフ) - 千秋さん» ありがとうございます!! (2017年11月21日 23時) (レス) id: 21808aae1e (このIDを非表示/違反報告)
千秋 - かけ落ちぃぃぃぃ!!!!最高です…続き楽しみにしてます! (2017年11月21日 22時) (レス) id: 7653753f09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪見 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2017年11月19日 18時