【まふまふ】だって僕らは運命共同体。

"選んだ道" ページ15

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約束の時間はすぐにやってきた。





すぐ目の前にあるインターホンを押さなければいけないのに自分に自信が持てなくてそらるさんの家の前でただ立ちすくむだけ。






これを押したら僕はそらるさんになんて言われるんだろう。幻滅されちゃうかな、突き放されちゃうよね






ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ





胸の内がモヤモヤとする中、聞き慣れたインターホンの音がすぐ近くで聞こえた。





「A……？」





『怖がってたって前には進めない。
大丈夫だよ、って私を慰めてそう教えてくれたのはまふくんでしょ？』






えへへ、とまだ幼さの残る笑みを向けられて少しだけ心が温かくなった。





「そっか………そうだよね！」





『うんっ、相手の幸せを願うことが私達"運命共同体"のルールだもん』







そうだ。
僕の…いや、僕らが選んだ道が間違っていたってそれがなんだよ。




人に決められたレールを歩むだけじゃ人生なんて楽しくないよね。





ガチャリ、という音と共に玄関扉が開いてそらるさんが顔を出す。





「ん、時間ぴったり。いらっしゃい」





「…お邪魔します」







さあ、僕だけで戦うんじゃないんだ。





扉を閉める時、そらるさんがAへと耳打ちしたのを見て少しだけ胸が痛くなったように感じた。

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