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部屋に入って、私のベッドに寝かせる。
「ちょっと待ってて。」
私の部屋にはキッチンや流しはない。
タオルを持って、共用の流しに向かった。
部屋に戻ると、リヴァイは変わらず
苦しそうにしていた。
汗を拭いて、頭に冷たいタオルを乗せる。
「せっかく治りかけてたのに…どうしたの…」
独り言のつもりだった。
「A…俺はお前が好きだ…誰よりも、お前が大切なんだ…だから、俺から離れていかないでくれ…」
「…わかった。わかったからそれ以上喋らないで。」
それは切なる願いのような、
心の内の叫びのような言葉だった。
この言葉が本当なら、さっき私が
リヴァイの部屋で見たものは何だったのか。
その話をするために来たのだろうか。
今のリヴァイは思考力が低下してる。
きっと、話したいことの中でも
一番伝えたかったのがさっきの言葉なんだろう。
汗の所為で湿気を含んだ
その漆黒の髪をそっと撫でた。
その日は一晩中、
付きっきりでリヴァイの看病をした。
リヴァイが苦しそうなのを見ていたら私も苦しくて。
「私が看病してあげてるんだから…早く良くなりなさいよ。」
タオルがぬるくなる度に
冷たいものに取り替えて、
絶え間なく流れる汗をこまめに拭き取った。
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ひより(プロフ) - 更新頑張ってください! (9月6日 17時) (レス) @page33 id: d52e0caa43 (このIDを非表示/違反報告)
猫iok - めっちゃ続きが楽しみです!!体調を崩さない程度に頑張ってください!! (2023年4月4日 1時) (レス) @page33 id: 6d13d30c38 (このIDを非表示/違反報告)
絹(プロフ) - ゆるどあさん» ゆるどあさん、ご心配おかけしてしまいすみません(TT)少し忙しくて中々更新できなかっただけなのでご安心ください(汗)更新ペースが落ちると思いますが、今後もお付き合いいただけたら幸いです。いつも温かいコメントありがとうございます。 (2021年4月11日 14時) (レス) id: aa01c52314 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるどあ(プロフ) - よかったいつもより更新遅かったので心配してました…(汗)2人の関係が気になる…。これからもずっと応援してます! (2021年4月9日 21時) (レス) id: facfd92d2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絹 | 作成日時:2021年3月16日 1時