#06 ページ7
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思えば、リヴァイは昔から変だった。
リヴァイが入団した時のこと。
“凄い奴”が入ってきたと兵団内では話題になった。
何でも、訓練兵団に所属せずに
地下街からやって来たんだとか。
目つきは悪いし、
この世の全てを見下すような
そんなリヴァイの態度は、
最初から気に食わなかった。
その時、私はまだミケさんの補佐ではなくて
ただの兵士だった。
そんなある日、
廊下で、リヴァイに声をかけられた。
「おい。」
話したこともないのに、
私の事を呼んでるなんて思う訳がない。
「おい、無視するな。」
リヴァイはそう言うと私の手首を掴んだ。
「何…?」
「名前を教えろ。」
「はぁ?人に名前を訊くときはまず自分が名乗るのが礼儀ってものでしょ?」
まぁ名前は知ってるんだけど
あまりにも生意気でムカついたから。
「…リヴァイだ。お前は?」
「Aよ。まぁ、アンタのことは知ってるわ。」
「そうか。」
そう言うとリヴァイは黙り込んだ。
「ちょっと…わざわざ呼び止めて用はそれだけ?」
「ああ…」
「まるで不審者ね。」
掴まれた手首を振り解いて、
リヴァイに背を向けて歩く。
「おい、A。」
その声に振り向く。
リヴァイは真っ直ぐ私を見据えていた。
「死ぬなよ…」
「はい?」
「俺が守ってやれるようになるまで、死ぬな。」
それが、リヴァイとの出会いみたいなもの。
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作者名:絹 | 作成日時:2021年2月28日 18時