兵長のヒトメボレ【リヴァイ】 (ページ29)

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「ちょっ…何？」

「A…俺の補佐になってくれ…頼む。」

「私、今役立たずだよ。右手も使えない。」

「そんな事はどうだっていい。頼むから、俺の目の届く所に居てくれ…俺に、お前を守らせてくれ…壁外調査の度に、怖くて仕方がない。お前を失うんじゃねえかと…」

「…どうして、そんなに私の事を考えてくれるの？」

言うべきなのか。

言ってしまっても、いいのか…？

「…お前の事が大切だからだ。」

「それは…どういう…」

体を離し、Aの目を見る。

「Aが、好きだからだ…」

Aは驚いたように目を開き、

その目からは一粒、大きな涙が落ちた。

「いつ、から…」

「…初めてお前を見た時だ。馬鹿らしいが、一目惚れ、だったんだと思う。だが…」

「…私は、一目惚れなんて信じない。」

俺の言葉を遮って

Aの口から出たのは、

あまりに残酷過ぎる言葉だった。

「私が補佐になって、リヴァイの気が済むなら、なっても良い。だけど、リヴァイの気持ちには応えられない。」

どういう事だ？

俺が好きだと言った時の表情は、

流した涙は、

俺への好意からじゃないのか…？

Aは、一目惚れは信じない、と言った。

一目惚れじゃなかったら、

俺の気持ちに応えてくれたということか…？

「A、それはどういう…」

「そのままよ。今言った事が全て。…どうする？」

「わかった。俺の補佐にはなってくれるんだろ？」

「リヴァイが望むなら。」

Aは冷静に、

淡々と俺の言葉に返事をした。