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「おい。お前いい加減ミケの補佐を辞めて俺の補佐になれ。」
「アンタねえ…しつこい。ねちっこい男はモテないわよ。」
「兵団内じゃ俺が一番強いんだ。お前にとっても都合の悪い話じゃねえだろう。」
「強いことを自分からアピールするのは痛いからやめなさい。」
全くその通りだ。
的を射た事を言われ何も言い返せない。
だが生憎、俺もAをどうにかして
説得しようと必死なのだ。
「そもそも何でそんなに私を補佐にしたい訳？こき使うつもり？アンタの下で働いたら、巨人に食われる前にストレスで死ぬ。」
俺は、そんなに嫌われているのか…？
「俺の補佐になれば、一生巨人に食われる事はない。俺がお前を守れるからな。」
「アンタに守ってもらわなきゃいけないほど弱くないわ。」
確かにAは腕の立つ兵士だ。
だからここまで生き残ってきたし、
その活躍を買われミケの補佐に抜擢された。
だが、それとこれとは話が別だ。
「第一ね、今までずっと目を瞑ってきてあげたけど、私はアンタの先輩なの。分かる？その口の聞き方どうにかしなさいよ。」
「…それは無理だ。それに、年齢で言ったら俺の方が上だ。」
「まぁそれもそうだけど、余りにも生意気すぎる。私が一から教えてあげようか？礼儀とマナーと言葉遣い。」
「ああ。その為にも俺の補佐になれ。」
「はぁ？馬鹿なの？ほら、帰った帰った。」
何故だ。
何故、お前は俺に見向きもしない？
俺は人類最強と呼ばれるまで強くなった。
お前に振り向いてもらいたくて。
なのに…何故だ。
そんなにミケの補佐がいいのか…？
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作者名：絹 | 作成日時：2021年2月28日 18時
