貴族の女と兵士長【リヴァイ】 (ページ32)

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「ご安心ください。貴女には選択肢を差し上げます。」

「はい…？」

男は口角を上げて、不敵な笑みを浮かべた。

さっきの感じの良い雰囲気はもう何処にもない。

「まずは1つ目です。今夜は私のお相手をして頂きます。何のお相手かは…貴女も子供ではいらっしゃらないのでお分かりでしょう。」

彼は続けた。

「そして2つ目。私の相手をしない。しかし、その代わり貴女とリヴァイ兵士長殿の関係を公にします。」

「まさか、脅し…ですか？」

「そう思われますか？残念だ。私は貴女に選択権を委ねている。そのような人聞きの悪い事を言われるのは心外です。」

リヴァイさんとの関係と言ったって、

別に私は彼とお付き合いしている訳じゃない。

でも、リヴァイさんと私が個人的に

会っているということが知れれば、

リヴァイさんに迷惑が掛かる。

そもそも、こんな事になったのも

私がここに彼を誘ったからだ。

私の父にも何と言われるかわからない。

「聡明な貴女なら考える余地も無いはずです。如何なさいますか？A嬢。」

「……わかりました。今夜だけ、ですね…？」

「理解が早くて助かります。もちろん、それはお約束します。」

彼は私の腰を掴んで体を引き寄せると

唇を重ねた。

それは次第に深くなっていく。

「ん…いや…こんなところでっ…」

「それもそうですね。早く二人きりになれる場所に行きましょうか。」

「その前に…彼が待っているので伝えなければなりません。」

「逃げるおつもりですか？貴女は逃げられない…A嬢。」

彼はそう言うと、

今度は乱暴にキスをした。

「ん…やっ…」

彼の体を押すが、私の力では敵わないようだ。

彼の手が私の首筋を辿り、鎖骨に触れた。

気持ちの悪い感触に思わず身震いする。