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無意識で、リヴァイさんの服の裾を
握ってしまっていた。
どうしてだろう。
ただ、このまま離れたくないと思った。
今、離れたらもう二度と会えない気がして。
「A…」
リヴァイさんが優しい声で私の名前を呼んだ。
まただ…
貴方に名前を呼ばれると、
私の心臓が音を立てるんです。
「…はい。」
リヴァイさんは、
俯いている私の顔を覗き込む。
「お前は、今どんな気持ちで俺の服の裾を握った…?」
「無意識…です。」
「…俺はさっき、お前から離れたくないと思った。」
その言葉に思わずリヴァイさんの目を見る。
「お前も…そう思ったのか…?」
「よく、わかりませんが…このままで居たいと…そう、思いました。」
その瞬間、身体が暖かいものに包まれた。
それがリヴァイさんの身体だということを
認識するのに時間はかからなかった。
どうしてだろう…
心地良い
涙が出そうな程
暖かい
リヴァイさんの背中に
私もそっと手を回した。
「…リヴァイさん…私、貴方にまた会いたい…」
背中に回す手に自然と力が入る。
「また…会えますか…?」
いつもリヴァイさんが
言っていた台詞を初めて私が言った。
「あぁ。きっと会おう。」
リヴァイさんはそう言うと、
私の額にそっとその唇を寄せた。
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作者名:絹 | 作成日時:2021年2月6日 18時