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父と一緒に、調査兵団の拠点を訪れた。
資金援助の為の、現状把握ということらしい。
実は私も、長い間訪れてみたいと思っていたため、
やっと念願が叶って内心わくわくしている。
そもそも、ウォールシーナの外に出るのも久しぶりだ。
「お父様、私は自由に見学させていただいてもよろしいでしょうか。」
「あぁ。あまり遠くまで行かないようにな。」
「はい。」
ずっと思ってた。
兵士の方の訓練している姿が見たいと。
ふらふらとしていると、
まだ若い兵士の子達が訓練をしていた。
格闘術のようだ。
まだあどけなさも残るこんな子供達が、
巨人という大きな敵に立ち向かっていく。
なんて残酷なんだろう。
私は、何もせずに、何も出来ずに
ただ彼らに守られているだけ。
私も貴族じゃなければ、
こんな風にここで訓練をしていたのだろうか。
そんな事を考えていたら、
無意識に涙が溢れた。
「えっ、あの、大丈夫ですかっ?」
突然後ろから聞こえた
その声に振り向くと、
男の子が立っていた。
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作者名:絹 | 作成日時:2021年2月6日 18時