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<7年前>
翔北を離れて4ヶ月が経った
安定期にも入り仕事は週3の心臓血管外科の外来ドクターをしている。
まぁ元々忙しく働いていたせいか、休みが多いと逆に体調が悪くなりそうで結局出勤して入院患者の回診などしたりしている
安西「先生、だいぶお腹出てきましたね〜性別分かりました?」
この人はここの看護師長さん。
シングルの私に偏見なく、気さくに話しかけてくださる方。
「前回の検診でたぶん女の子だろうって言われました」
安西「ええなぁ、うちは男ばっかで毎日ほんま大変なんですよ」
安西さんのおかげでだいぶ関西弁にも慣れてきた
「安西さん、この書類明日やるんで今日もう上がりますね。」
安西「分かりました。どっか行かはるんですか?」
「性別も分かったし肌着とか細かいもの揃えようかなって!」
安西「あー!選ぶん楽しみですね〜お気を付けて」
大好きなルブタンのハイヒールは随分前に封印して
今はすっかりコンバースにマタニティズボン、と言うなんとも妊婦らしい服装をする日々
見慣れない景色も、履き慣れない服も
少しずつ慣れてきて、これでよかったのか正解は分からない…
乗り慣れない関西の電車。今日はベビー用品売り場が入ってるショッピングモールに行く予定だからいつもと乗る電車は違う。
もう一回看板で行き先を確認し、ホームで電車を待つ。
リサ「なぁ、ポンポン赤ちゃんおるん?」
小さな4歳ぐらいの女の子に話しかけられた
「そうだよー。触ってみる?」
なんて言うと ええの? って言って嬉しそうに触ってくれる
リサ「私リサって言うねん。赤ちゃんのお名前なに?」
「リサちゃんか〜赤ちゃんの名前はまだ考え中かな」
リサ「そっかぁ、リサのお名前はパパが付けてくれてん!」
「パパ…か。」
彼なら名前なんて付けてくれるんだろう、なんて考えたりしていたら、
リサちゃんのママが私の薬指に何もない事に気づいたのか話を逸らしてくれた
母「あ!リサ、電車きたで〜」
帰宅ラッシュが始まったのか空いてる席がなくつり革持って立ってようかなと思ってたら
リサ「お姉さん!こっち!ここ座って!!」
ひと席空いていた優先座席を譲ってくれた。
リサちゃんとお母さんはこれからおばあちゃんの家にお泊まりに行くらしい。
とっても楽しそうにおばあちゃんの話をしてくれてる
リサ「ほんでなぁ、ばぁばが…っ!!
「っ!!」
ガシャンと鈍い音と感じたことの無い強い衝撃を感じた
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れな(プロフ) - 苗字が森澤でびっくりしました笑笑 (2018年8月7日 19時) (レス) id: 18c21e4147 (このIDを非表示/違反報告)
kokuma(プロフ) - あいさん» めちゃくちゃ嬉しい褒め言葉ありがとうございます(/ _ ; ) (2017年11月10日 9時) (レス) id: ac63afafb7 (このIDを非表示/違反報告)
あい - kokumaさんは話をつくるのがとても上手ですね!驚きました! (2017年11月10日 6時) (レス) id: 6208755813 (このIDを非表示/違反報告)
kokuma(プロフ) - 冷泉 波琉架さん» 物語に入り込んでいただけてとっても嬉しいです。ラストまでこんな感じで切ない展開が続く予定ですがお付き合い頂けたら嬉しいです^^ (2017年10月7日 14時) (レス) id: ac63afafb7 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 波琉架(プロフ) - やばい。真相知った時泣いた… (2017年10月7日 12時) (レス) id: 8121be56da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kokuma | 作成日時:2017年9月15日 21時