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実際に彼女は見た目通りか弱かった。
といっても周りのパンピーに比べたら全然強いのだけど高専の中では一番弱い。
呪術師としてやっていけるのかと思うくらい気も弱い。そんなやつだった。
日常から少し抜けていて彼女を見ているとほっとけないその感情がどことなく湧いてくる。
「五条くん!」透き通った声で俺の名前を呼ぶ彼女を見てると感情が昴ぶる気がして、というか自分の感情には気づいていたものの気付かないふりをしていたんだと思う。
それから彼女と一緒に任務をすることが増えた。
任務と言ってもとても簡単なもので呪霊は四級のもので彼女の精神力を鍛えるために行うらしい。
万が一のためのサポート役として俺はついていくのがお決まりのパターンだ。
最初は緊張からいつも通りの力が発揮出来ずに俺が助けることも多かったが回数を重ねる毎に俺の助けは少なくなっていった。
任務当日。彼女の顔からは必ずと言っていいほど覇気が感じられなかった。緊張しいというのは聞いていたけどここまで緊張するとは思っていなかったから初めは驚いた。
「緊張してんの?大丈夫だよ何かあったら俺いるし」
「う、うん。ありがとう!」
いつもの言葉をかけて現場に向かう。車の中でも顔を真っ青にして緊張している彼女を見て本当に大丈夫かとも思ったが、今回は俺の助ける幕がないほど彼女は完璧に任務を遂行した。
「五条くん!今日はありがとう!五条くんいなかったら多分私任務遂行出来てなかったよ。」
任務が終わり寮の階段を上がろうとした時に彼女が声をかけてきた。
「俺がいなくてもお前はできてただろ。もっと自分に自信持てよ。」
そう言って彼女の頭の上に手を置き撫でると彼女の頬はみるみる紅潮した。
その顔を見た時だった。俺が彼女に恋をしていると自覚したのは。
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このか(プロフ) - はじめまして!完結おめでとうございます!とても面白くて感動して泣いてしまいました。夢主目線の番外編読みたいので書いていただけると嬉しいです! (2020年11月23日 19時) (レス) id: 9b416e9a45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:萌咲 | 作成日時:2020年11月22日 21時