五柱 ページ6
治療を終えると、すぐにしのぶから怪我のことを問いただされた。
しのぶ「いい加減話してくれませんかね?」
しのぶの額に青筋が立ち始め、渋々と言った様子で桜喜は口を開く。
桜喜『とある男鬼に付けられた』
しのぶ「?何故です?少なからず、貴女は他の隊士達よりも強いはずなのに。抵抗しなかったんですか?」
その問いに、桜喜は少し言葉を詰まらせたが、諦めたように話し始めた。
桜喜『鎹鴉からの報告を受け、任務を行った帰りに背後から鬼の気配を感じた。それで振り返ると、洋装の男鬼が俺を見て意味のわからないことをほざいた』
桜喜が話す間、しのぶは黙ってきいている。
桜喜『流石に頭にきて間合いを詰めたつもりが、背後から抱きすくめられた。抵抗したが、それ以外の力で身体を締められたため、抵抗のしようがなかった。そこで、首を思いっきり噛まれた。それだけだ』
それを言い終わるとしのぶは顎に手をやり、一人考えるように呟き始めた。
しのぶ「柱である、貴女をも上回る速さと力を持った鬼ですか。危険性がある為、お館様に報告するべきですね」
ふと、桜喜は思い出したように口を開く。
桜喜『忘れていたが、その男鬼は名を"鬼無辻無惨"と名乗った』
しのぶ「?!それは本当ですか!」
名を聞いた途端にしのぶは立ち上がり、桜喜の肩を強く掴んだ。
桜喜『嗚呼、あと奴は最後に俺に《いつかお前を迎えに来るぞ》と言っていた』
しのぶ「なんてこと!早急にお館様と柱の方々を集めなければ!因みに、顔は見ましたか?」
その言葉に、桜喜は一度思い返してみるが……
桜喜『はぁ、覚えてねぇよ。帽子と月明かりだけじゃあよく分かんなかったし』
しのぶ「そうですか。ですがありがとうございます。有力な情報にはなると思います」
そう言うと、しのぶは部屋を出て行ってしまう。
桜喜『迎えにか……。そろそろ彼奴らの処に顔を出しにいかねぇとな』
桜喜はふと障子から覗いた空を、記憶の中の愛おしい者たちの顔を浮かべながら微笑んだ。
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鬼無辻無惨の件はすぐに産屋敷から柱達に伝えられ、会議が開かれた。
宇髄「あ?当の本人は何処だ?」
しのぶ「彼女には休んでもらいました」
そう言ったしのぶに、柱達の注目が集まる。
煉獄「それは何故だ?」
産屋敷「私からのお願いだよ」
女童を連れてた産屋敷が現れ、柱達は跪いた。
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Suzu - 続きが気になります!更新頑張って下さい! (2019年10月3日 19時) (レス) id: 186e5924cf (このIDを非表示/違反報告)
スゥ - すっごく面白いです!早く続きが読みたいですが、無理をせずに更新頑張って下さい! (2019年8月28日 1時) (レス) id: 186e5924cf (このIDを非表示/違反報告)
なきき - この話が大好きです!!!!!続き楽しみにしてます。頑張ってください (2019年7月15日 14時) (レス) id: cdddd9fcdb (このIDを非表示/違反報告)
りな - 面白くて好きです!続きを楽しみに待ってます。無理をせず少しづつ更新してください。応援してます!! (2019年6月2日 6時) (レス) id: 55c1958e88 (このIDを非表示/違反報告)
イナビカリ(プロフ) - 続きが気になります!しっかりしたお姉ちゃんって感じが好きです!後、鬼舞辻との絡みも面白い!更新頑張って下さい! (2019年6月1日 23時) (レス) id: fb4eedb2d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ranki | 作成日時:2019年5月15日 22時