四柱 ページ5
首元に顔を寄せると、その白い肌に噛み付いた。
桜喜『いっ?!』
?「お前の血は甘くて美味いな」
タラァと流れ出る血を、男鬼は舌で舐めとっては傷口を舌で抉ぐる。
桜喜『〜〜っ?!クソが!』
絶えず男鬼の足を思いっきり踏んで、怯んだ隙に逃げ出した。
桜喜『テメェ!』
?「その首飾りは産屋敷から貰ったものか……」
噛まれた首元を抑えながら、桜喜は男鬼を睨みつける。
桜喜『何故お館様のことを知っている?』
?「そうか。お前があの"桜の呼吸"の使い手か、成る程な」
桜喜の質問には答えず、男鬼は口に付いた桜喜の血を舌で舐めとると、薄く微笑んでそう言った。
桜喜『お前…!』
?「そろそろ夜が明けるか。名残り惜しいが、戻るとしよう。いつかお前を迎えに来るぞ」
そう言うと、男鬼は桜喜に背を向けて歩きだす。
桜喜『待て!お前は一体なんだ!』
叫ぶ桜喜を男鬼は愛おしげに見返すと、ゆっくりと口を開く。
「俺の名は"鬼無辻無惨"だ」
その答えに桜喜が目を見開いて驚いている隙に、男鬼・鬼無辻無惨は去っていった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
驚いて数分固まっていると、遠くの方から声が聞こえた。
しのぶ「桜喜さん!ご無事ですか?」
桜喜『何故アンタがここに?』
同じ柱のしのぶが、隣に桜喜の鎹鴉を連れてやってくる。
しのぶ「偶々近くで任務があったので帰ろうとしたところ、貴女の鎹鴉が〈鬼ニ捕マッテイル!〉と言うので来たのですが、大丈夫ですか?」
桜喜『問題はない』
素っ気なく返して帰ろうとすると、しのぶに腕を掴まれて阻止された。
桜喜『なんだ?』
少し不機嫌そうにしのぶを振り返ると、彼女は真剣な顔で桜喜を見つめる。
しのぶ「その首、どうされたんですか?」
桜喜『…少しその鬼に噛み付かれただけだ。アンタに関係ねぇ』
そう言って腕を振り解こうとするが、しのぶは細い腕のどこにそんな力があるのか分からない力で、腕を掴んでいた。
しのぶ「何があったのか徹底的に聞き出したいですが、とりあえず今は傷の手当てです。一度蝶屋敷に来ていただきます」
桜喜『お、おい!離せ!』
ズンズンと歩いていくしのぶに、戸惑いながら付いていく羽目になってしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
蝶屋敷に着くと、既に鎹鴉にて話を聞いていたしのぶの弟子達に治療室へと押入れられ、治療を受けた。
192人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Suzu - 続きが気になります!更新頑張って下さい! (2019年10月3日 19時) (レス) id: 186e5924cf (このIDを非表示/違反報告)
スゥ - すっごく面白いです!早く続きが読みたいですが、無理をせずに更新頑張って下さい! (2019年8月28日 1時) (レス) id: 186e5924cf (このIDを非表示/違反報告)
なきき - この話が大好きです!!!!!続き楽しみにしてます。頑張ってください (2019年7月15日 14時) (レス) id: cdddd9fcdb (このIDを非表示/違反報告)
りな - 面白くて好きです!続きを楽しみに待ってます。無理をせず少しづつ更新してください。応援してます!! (2019年6月2日 6時) (レス) id: 55c1958e88 (このIDを非表示/違反報告)
イナビカリ(プロフ) - 続きが気になります!しっかりしたお姉ちゃんって感じが好きです!後、鬼舞辻との絡みも面白い!更新頑張って下さい! (2019年6月1日 23時) (レス) id: fb4eedb2d0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ranki | 作成日時:2019年5月15日 22時