黄瀬涼太はソクバクされたい。

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｢うん、OK。休憩しよう｣

｢やったぁあ｣

｢お疲れ様、頑張ったね｣

机に思っきし突っ伏した俺にAはふっと微笑んで頭を撫でてくれる。……ん、撫でてくれる？

｢あっ｣

ぱっと手を引っこめるA。

｢ごめん、つい。いつも妹にやってるから……｣

恥ずかしそうに頬をかく姿に一旦思考が止まる。慣れない勉強をしすぎたせいか、目の前に天使が見える。……あ、Aか。

｢撫でてもらうのって結構気持ちいいっスね｣

もっと撫でてと子供みたいにせがめば、またぽんぽんと優しく彼女は触れてくれる。どこかくすぐったいような気もするけど、甘い気持ちで心が満たされていく感じがした。ここまで勉強頑張ってきた甲斐があったかも。

｢次は俺がAのこと撫でてあげる！｣

｢え？私はいいよ｣

｢俺がしたいの！｣

そう言って彼女へと手を伸ばす。
わしゃわしゃと撫でれば、くすぐったいそうにAは笑った。

｢よしよし、いいこいいこ｣

｢ふふ、なにそれ。まるで小さな子供をあやしてるみたいだね｣

｢家でもいつもお姉ちゃんしてて頑張ってるみたいだから、俺くらい甘やかす人がいてもいいでしょ？｣

家だけじゃなくて、学校の勉強とか部活とか。俺にだってすごい気をつかってくれてるし、いっぱい頑張ってるの1番近くで見てるつもりだから。たまにはうんと甘やかしてあげたくなる。

｢……ありがとう｣


｢それにA、身長はちっこいしね｣

｢黄瀬くんから見たらほとんどが小さいでしょー｣

｢んー……まぁそうだけど、青峰っちとか緑間っちとかの方が大きいしなぁ。紫原っちなんて2m越しちゃってるし｣

｢それは男バスの身長がおかしいんだよ｣

｢あはは、そうかもしれないっス｣

欲を言えばキスとかそれ以上とかをしたいなぁと思っていたわけだけど、こんなまったりした感じもいいかなぁと思えてきた。
クラスのこと、部活のこと、家族のこと。そんなたわいもない会話でゆったりと時間は流れていった。

｢さて、再開しよっか｣

｢ぅ、ハイ｣

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