【東京喰種:re】賞味期限切れの恋【平子丈/伊東倉元】

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「くらもとせんぱい〜」


「はい、なんでしょうAくん」






会議が終わってすぐ、すっかり疲れ果てた様子で
グダリに来たA。



俺が座ってた椅子に思いっきり足を乗せて、
完全に気の抜けた顔をしてる。





「スカートなんだからさ、ちゃんとしてよ。」


「んー、いちおう気をつけてるんですよ、私も。」





信頼されきってるその様子に癒されるけど、
男として見られてないことに毎回凹む。


いつもゆるゆるした態度ではあるけど、
丈さんにはこんなだらけた姿見せないよね、A。





「おとりそうさ、ってよくあることなんです？」


「んー、頻繁に行われることではないけど、
まったく聞かない手段でもないかな。
女の人なんかは特に、経験することかも。」





色任務、とか。
脱いだり触れたり、女を武器にした任務。
無いわけではないからね。


そんなものして欲しくは、ないけど。


俺、毎日毎時毎秒好きな子の事でやきもきして、
実は嫉妬深いのかな。やだな、それ。



…だせえ。





「丈さんが彼氏だったら、」


「？！？！ …は、」


「どうなんでしょ、今回の任務。」


「っ、ああ。…ちょっと年の差あるから、どうだろ？」






びびった、まじで。


Aの気持ちは知ってる。けど。
その口から恋愛相談でもされた日には、
それこそ俺の気持ちへの死刑宣告だ。


諦めようと思ってたって、
振られる覚悟はまだ、できてない。





「やっぱり、丈さんだと彼氏ぽくは見えないですかね」




しょんぼり。
目に見えて凹むAに、もうなんて言っていいかわからない。







_______俺なんかよりよっぽど、お似合いだとは思うよ。






言いかけて、やめた。
自分から負けに行くのは、ないよな。







「もし、期日までに決められなかったらさ、」


「はい」


「誰かに頼むの、手伝うよ。
相談も、なんでも乗るし。なんなら俺、やるよ。」


「せんぱい…！」






うるる、感動の眼差し。可愛い。どうしようもない。

最終手段は、伊東倉元ね。と笑って見せた。





でもこれ、ほんと。
どうなるんだろうな。心配。









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