【東京喰種:re】賞味期限切れの恋【平子丈/伊東倉元】

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「それでは、Ｓレート喰種“ブリッツ”について
詳しくお話させていただきます。」


「…zzz」



「対象は______」






開始３秒。
まさかと思って隣を見れば、既に白目をむいてお亡くなり。


ちゃんと聞いてよ、A。
今回ばっかりは、俺も丈さんも助けてやれないんだからさ。


こっそり起こそうと手を伸ばしかけた時。





「…Aちゃん、大事な会議で寝られると困るんだよ。
起きなさい！」




ビシィ！！
ハイセらしからぬ勢いあるツッコミで、
Aが目を覚ます。


なんか、Aの扱いに慣れてるよな…




「大丈夫、おはよう、えっと、何…？」


「西園寺一等。今は会議中です！
もー、もう一度言います。
対象はブリッツという喰種で、とても鋭い稲妻のような強力な羽赫を持っています。

それと、もうひとつ。」




こっちの方が重大な情報です。
と前置きしたハイセは、ゆっくりと深呼吸をしてから
重たい言葉を吐き出した。




「このブリッツなんだけど、推定年齢は25歳。
20代前半の彼氏持ちの女性のみ捕食した形跡があり、
…極度の面食いと、見られています。」



「「………」」


「へぇ、おもしろそう！ですね。」




さっきまで白目をむいてたくせに。

静まり返る男性陣の反応とは正反対に
パァ、と表情を明るくしたAは、
ブリッツの囮捜査の対象に自分が選ばれたことなど
微塵も感じていないのだろう。





「面食いなら、ハイセが女装してもいけそう〜」


「ははっ、それはたしかに。」




っておい。思わず乗っちゃったじゃんか。

じろり。無表情な丈さんの瞳に睨まれて、苦笑い。





「それがねAちゃん。じゃなくて西園寺一等。
ブリッツの捕食傾向はものすごく偏っていて。」


「うんうん」


「柔らかい髪、アーモンドみたいな大きな瞳、きゅっと結ばれた唇に、華奢で色の白い女性。
つまり西園寺一等！！！君が選ばれたんだ！！
この捜査の囮捜査官に！！！！」


「…」


「僕達Qs班も女装して挑んだけど無理で…
お願いします！」


「ええええええ？！？！」









Aを挟んで向こう側に、
俺と同じ表情を浮かべる丈さんとパチリ、目が合った。







(大丈夫じゃなさそうっスね、これ…)

(サポートは任せた、倉元。)







色々な面で先が思いやられるよ、この案件。









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