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『聞こえてるか、倉元』
ガサガサ…耳障りな機械音に続いて、
普段より少しくぐもって耳に届く、丈さんの声。
「…バッチリっス」
人混みの中、なるべく人目に付かないよう応答した。
『よし、別働隊の方も問題ない。
予定通り演習を続行する。』
別働隊というのは、ミッチー&ブジンのA護衛部隊。
俺の方は丈さん、根津、梅野が対応してる。
_______…狙われるのが女なら、Aのほうに班長がつくべきじゃないですか?
そう言ったミッチーの意見は最もだと思ったが、
“先に無惨に殺されるのは男の方”だという丈さんの見解の元、
今回の編成になったわけだ。
あー、こわいこわい。
丸腰で歩くのって、こんなに怖いんだな。
たかが演習、されど演習。
A、大丈夫かな、大丈夫そうだな。
こういうのは。
指定された待ち合わせ場所でAを待つ。
よくわからない銅像の横でスマホを弄りながら。
『もーすぐつく!ごめんね』なんて慣れないタメ口のメッセージが届いてそわつく。
…なんか本当にデートみたいじゃない?
『りょーかい』っと。
適当なにっこり顔文字を添えて返信した、その時。
ふわり。
後ろから微かに重みを感じて振り返ると、
「倉元〜。 おまたせ」
俺の左腕に身体を預けたまま、上目遣いでこちらを覗き込むA。
あーーーーー、やばいって。ほんと好き。
「A。」
「ん?」
「お腹空いてる?一応、お店予約しといたんだけど。」
「えっ、本当に? ありがとう。」
嬉しい。そう微笑む彼女の小さな手を取って歩き出す。
俺の役目は、今ここにいる“一般人のA”を精一杯幸せにすること。
そう、言い聞かせて。
「倉元の手、意外と大きい」
「え、そーかな」
「うん!…安心したあ」
そうだよね。
やっぱ怖いよね。
日常的に死線をくぐり抜けてきたのに、
いきなり武器も持たず人混みの中に放り込まれるのんてさ。
「安心した? 大丈夫、俺こう見えて頼りになるよ?」
どうしても守り抜きたくて、それを伝えたくて。
でも言ってから恥ずかしくなって、
なんて、どうだろーって笑い飛ばそうとしたら。
「知ってるよ。いつも助けてくれるから」
そう小さく呟く。
ねえ、それどこまで演技?
「…当たり前でしょ。好きな人なんだから」
俺の言葉は全部、本心なんだけど。
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ちーかま - 伊東倉元さんめっちゃ好きです。 (2018年10月29日 20時) (レス) id: 8f9925b559 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 無花果さん» コメントありがとうございます! 丈さんの魅力もっと詰め込みたい..ほんとに素敵ですよね!更新、時間を作って頑張りたいと思います(TT)!! (2018年5月2日 0時) (レス) id: 9c73c754f5 (このIDを非表示/違反報告)
無花果(プロフ) - 楽しく読ませてもらってます!丈さんカッコいいです泣更新頑張ってください! (2018年5月1日 2時) (レス) id: 6686156c61 (このIDを非表示/違反報告)
氷麗(プロフ) - ギオさん» コメントありがとうございます!!とっても嬉しいです… そして伊東倉元好きなお方に出会えて感激です!最高に素晴らしいですよね!魅力をうまく描けるよう頑張ります!(*´∀`) (2018年4月22日 4時) (レス) id: 9c73c754f5 (このIDを非表示/違反報告)
ギオ(プロフ) - めっちゃ面白いです!高評価とお気に入り失礼します〜伊藤倉元いいですよね!今んところ一番好きなんです! (2018年4月22日 3時) (携帯から) (レス) id: 6572e8ab81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2018年4月16日 4時