【東京喰種:re】賞味期限切れの恋【平子丈/伊東倉元】

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「はぁ、っはぁ、く…」


「………」







膝をついて呼吸を乱す喰種。



それを冷たい瞳で見下ろしながら、クインケを構える少女。









「くそ、なんでこんな…白鳩が…
あんなクインケ見たこと…くそっ…！」


「呼ばれてるですよ、私」


「くそ、くそ…」








再生が追いつかず相当激昴している喰種を気にする素振りもなく、少女は携帯を確認している。







「こんなところで寄り道してる場合じゃないです、でも」


「…っ」


「私は捜査官で、貴方は喰種。


見逃したら、もっと怒られちゃいますよねぇ？」







にたぁ…と、気味悪く、それでいて美しく笑う。
冷気。殺気。…妖気。



この女は、異常だ。怖い。
ぞくりと身を震わせながら、喰種は再び赫子を形成する。








「…っ！ なめるな！！！！」


「わー」






軽い声質。まるで効いていないような、わざとらしい声は喰種を更に激昴させる。







「なめてないですよぉ。強くて、びっくりしたです」


「くそ、がぁ…！」






速くて重い、赫子。
でも少女はとっくに見切っていて、避ける素振りもなくそのまま切り捨てようと重心を前へ、動かそうとした。



が_______









「へっ…ばぁか」


「？！？！」







少女は、失念していた。



見誤っていた。



喰種は、







「が、ぁ…２種持ち…」







まだ奥の手を見せてはいなかった。

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