41回目 ページ41
「早いな」
「ギャンッッッ」
「っっぶね!?」
真緒さんが来たのはそれからすぐの事だった
いつの間にか私の背後に立っており、ベンチに座っている私を後ろから覗き込むようにして現れた
思わず横に倒れそうになるのをすぐに手を使って支えてくれた
こっっっっわ、いや倒れそうになったこともそうだけど真緒さんこっっっっわ
「声かけてくださいよ…」
驚いて口から心臓が出そうになってしまい、思わず胸元に手で抑える
ぜぇはぁ、と息を切らしている私の背中をトントンと軽く押してくれる
「いや、そんな驚かれると思ってなくて…」
ごめんな。と申し訳なさそうに謝る彼に「大丈夫です」と返した
ベンチから立ち上がり、スカートを叩いて真緒さんと向き合う、が視線があったのはほんの一瞬
言わずもがな、逸らしたのは私だ
「今日は、よろしくお願いします…」
「こちらこそ」
正直に言うが、真緒さんはとてもかっこよかった
いやアイドルってレベルじゃない
プライベートのためにマスクとキャップは被っているが、それでも彼のキラキラとした眩しい雰囲気は隠せてなかった
こんな人に告白されるのか、なんて余計に脳がパンクしてしまいそうだ
グルグルと目まぐるしくも考えていると、真緒さんは指先でマスクを顎まで下げた
「可愛いね、Aちゃん」
ヒュ………。と喉の奥が鳴った
目を細めて優しくはにかむ彼が私達を照らしつける太陽よりも眩しく感じたのだ
どうして彼はそんなことを軽々しく言えるのか
「あ、ああありがとうごさいます」
恥ずかしかったり、嬉しかったり、それでもやっぱり照れ臭くて、髪の毛に触れて赤くなっている頬を隠した
「じゃあ行こっか」
「はい!」
ドキドキと暴れ出す心臓が痛くて、もどかしかった
330人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
彩音(プロフ) - ひ〜〜めちゃくちゃどきどききゅんきゅんしました・・・。(語彙力なくてすみません) (2022年7月26日 14時) (レス) @page49 id: 25043c6aac (このIDを非表示/違反報告)
ことは - 真緒くん!梶さん!尊い! (2021年4月15日 18時) (レス) id: 1efa312b7c (このIDを非表示/違反報告)
めご(プロフ) - 空白猫さん» ありがとうございます(;_;)是非推してください〜!!評価もありがとうございます!! (2021年4月9日 23時) (レス) id: fec7c0a77e (このIDを非表示/違反報告)
空白猫 - 前半…「早くくっついて?」後半…「待ってこのカップル推せるわ」ってなりました…評価たくさん押しますね…神作だと思ったのでッ!! (2021年4月8日 11時) (レス) id: 10484fbbe5 (このIDを非表示/違反報告)
愛葉 - 半分本気です…(笑) (2021年2月28日 20時) (レス) id: bb433bc26e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:めご | 作成日時:2021年1月2日 21時