33回目 ページ33
「ありがとうな」
一通りのシーンを読み終わり、台本を真緒さんに渡した
いえ、楽しかったので…とお礼を言うとニコニコとした笑顔を向けられた
笑顔一つが眩しいんだから辞めて欲しいがそんなこと言える訳もなく
ただ、楽しそうに台本を確認する真緒さんの横顔に見蕩れていた
先程の台本は高校を舞台にしている話だが
「真緒さんって生徒会長なんですよね?」
ふと気になってしまった
真緒さんは学校で、どんな風に過ごしているのだろうか
芽衣から聞いたのは生徒会長をしている事だけで、あとは詳しくは知らないのだ
「あぁ、去年は役員をやっててさ」
やっぱり仕事の量が全く違うんだよな。と疲れたようにソファの背もたれに背を預けた
「本当に毎日大変で猫の手も借りたいぐらいだよ」
「あはは…いつもお疲れ様です…」
「あぁ…Aちゃんは学校楽しい?」
「楽しいですよ、芽衣とは入学してすぐに仲良くなってそれからずっと一緒です」
「うちの芽衣がいつもお世話になってます」
「はい、お世話しております!」
ふざけてお互いに頭を下げて、クスクスとお互い笑い合った
本当にさ…と彼は気が抜けたようにこちらを見て柔らかく笑った
「Aちゃんって可愛いよな」
え
「え」
鳩が豆鉄砲を喰らったようなアホ面を晒してしまった
いや、誰だってそうなるはずだ
一瞬にしてスイッチが入ったように顔が赤くなる私を見て、真緒さんは「やべ…」と小声で焦ったように口走った
「い、いやいや!!私なんて全然ですよ!!」
急いで声を上げる
意識するなってさっき誓ったでしょ、本当にダメだって
きっと真緒さんもお世辞として言ったのだ
真面目に受け取るな
期待するな
必死にそう自分に言い聞かせるが、真緒さんの口から出た言葉によってそれは壊される
「……いや、可愛いよ?」
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彩音(プロフ) - ひ〜〜めちゃくちゃどきどききゅんきゅんしました・・・。(語彙力なくてすみません) (2022年7月26日 14時) (レス) @page49 id: 25043c6aac (このIDを非表示/違反報告)
ことは - 真緒くん!梶さん!尊い! (2021年4月15日 18時) (レス) id: 1efa312b7c (このIDを非表示/違反報告)
めご(プロフ) - 空白猫さん» ありがとうございます(;_;)是非推してください〜!!評価もありがとうございます!! (2021年4月9日 23時) (レス) id: fec7c0a77e (このIDを非表示/違反報告)
空白猫 - 前半…「早くくっついて?」後半…「待ってこのカップル推せるわ」ってなりました…評価たくさん押しますね…神作だと思ったのでッ!! (2021年4月8日 11時) (レス) id: 10484fbbe5 (このIDを非表示/違反報告)
愛葉 - 半分本気です…(笑) (2021年2月28日 20時) (レス) id: bb433bc26e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めご | 作成日時:2021年1月2日 21時